「災害関連死」について

災害による直接的な死は免れたものの、被災時のけがや避難生活での健康状態の悪化により命を失ってしまうのが災害関連死です。直接被害でなく、避難生活や避難途中における精神的・身体的負担によって引き起こされて亡くなられてしまう事です。

能登半島地震でこの関連死が直接死を上回ったことが発表されています。避難生活環境がもっと整っていれば救うことができた命であったかも知れません。能登地震を教訓に災害対応のあり方を検討してきた政府の作業部会は、高齢化が進む地域での関連死を防ぐため、避難所に段ボールベッドや調理設備の備え、携帯・簡易トイレの備蓄などを促す報告書をまとめたとの事です。TKB(トイレ、キッチン、ベッド)の配備をはじめ公明党が被災現場の声を基に政府の総合経済対策に盛り込むよう首相に提言し、反映された施策と重なります。今臨時国会における補正予算では、施策実現へ踏み出すことが重要です。

読売新聞11日の社説で、災害関連死について掲載がされています。(以下12月11日読売社説要旨)能登半島地震の発生後、持病の悪化や慣れない避難生活などが原因で亡くなり、災害関連死と認められた人は247人となった。家屋の倒壊や津波など地震の直接的な被害の死者数を超えている。と報じています。

災害関連死の8割は80歳以上の高齢者。災害時の介護支援を誰がどう担うのかは、大きな課題だ。各都道府県は、それぞれ介護職員らからなるDWAT(災害派遣福祉チーム)を設けている。能登には各地からメンバーが派遣され、避難所で支援を行った。今後は自宅などにいる高齢者にも支援を拡大できないか。災害時には、「福祉避難所」に指定されている高齢者施設などがケアを必要とする避難者を受け入れる。だが、能登の場合は多くの施設が被災したため、そうした役割を十分に果たせなかった。被災地の福祉避難所が機能しない場合、県外の施設が代わりに役割を担えるよう、平時から取り決めておくことが大切だ。(読売新聞12月11日社説)

ここで書かれている「福祉避難所」についての在り方、また災害時の訪問看護や介護の在り方等、日常の中で支援を受けられておられる方々、配慮が必要な方々への視点が重要です。

日本の被災者は声を上げないと言われます。「我慢するのが当たり前」との風潮がある。熊本地震でも、建物の崩壊などによる直接死よりも、避難生活に伴う体調悪化で亡くなる災害関連死が4倍以上だったことを考えると避難所の環境改善は重要です。

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