少子高齢化にまつわる4つの要因が相互に絡み合い、「静かなる危機」が日本社会で進行しています。「公明党2040ビジョン中間取りまとめ~『創造的福祉社会』の構築へ~」
第1に、歯止めのかからない少子化です。2023年の人口動態統計によれば、合計特殊出生率は前年の1.26から1.20に下がり過去最低を更新。2000年に119万人台だった出生数は16年に100万人の大台を割り、23年には72万7288人へと急減しています。この流れを急激に反転させることは困難ですが、抑制するための手立てを今、講じなければ、一気に出生数が激減する恐れがあります。
第2に、単身世帯の急増。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)によると、「夫婦と子ども」世帯が一般世帯に占める割合は1995年の34.2%から、2020年には25.2%へと激減。この間に単身世帯の割合は25.6%から38.0%に急増しました。2025年以降、単身世帯が一般世帯の4割を超え、50年には44.3%に達します。医療・介護の必要性が高まる75歳以上の単身世帯は2040年に610万世帯となる見込みです。
第3に、深刻な人手不足です。社人研推計では2020年から2040年に高齢者人口が326万人増え、ほぼピークに達する一方で、生産年齢人口は1295万人も減少する見込みで、経済的な先行き不安の要因にもなっています。既に人手不足は、さまざまな業種で顕在化し始めており、特に医療、介護、福祉など命を守る専門職人材の育成・確保へ総力を挙げなければなりません。
第4に、自治体や地域共同体の存続不安です。今年実施した党の自治体アンケートでは、回答した1304市区町村のうち3割超が人口減少のために自治体としての存続が危うくなるとの危機感を表明。医療の施設・人材が不足するとの懸念を抱いている自治体が8割を超え、介護ではその割合が9割にも達しています。さらに、存続危機感を抱いている自治体の約7割で外国人材が不足するとの見通しが示されました。
この様な4つの要因が複合的に絡み合い、国民に将来不安や「生きづらさ」をもたらしています。こうした現状を転換し、創造的福祉社会への道を切り開くため、公明党は5つの改革構想に取り組みます。
「公明党2040ビジョン中間取りまとめ~『創造的福祉社会』の構築へ~」