豊明市 産学官多様な主体の協働による地域包括ケア

健康づくり・スポーツ推進特別委員会の視察にて愛知県豊明市にある豊明団地(地域包括ケア・“けやきいきいきプロジェクト”)にお伺いしました。

豊明市は、愛知県のほぼ中央に位置する名古屋市のベッドタウンで人口 67,952人(30,880世帯)。高齢者人口 117.805人 (令和6年4月1日現在)で高齢化率 は、26.2%(県高齢化率 より高い )。人口構成は、前期高齢者に人口に山があり、今後10年 後期高齢者の伸びが著しい地域特性がある市です。

取り巻く社会変化として、大都市近郊の高齢化の典型、後期高齢者人口の著しい増加。豊明団地を中心に独居高齢者・高齢者のみ世帯の増加。急激に増え続ける医療 介護 と深刻な担 手不足がります。そして、課題として、医療 介護 担 人材の育成、人材確保の困難さや、全国平均、県平均を上回る一人あたりの医療費の増加。在院日数の短縮、繰り返す入退院、団塊の世代を要介護状態にさせない、重度化させない仕組みが求められています。 

今回、訪問しました豊明団地(昭和46年管理開始2,127戸)では、豊明市、藤田医科大学、UR都市機構の3者が相互に包括協定を締結の上、平成26年より団地自治会とともに「けやきいきいきプロジェクト」と称して取り組みをされています。プロジェクトが発展するにつれ、プロジェクト参加団体は民間企業や介護事業所等まで広がり、けやきいきいきプロジェクトが生み出す産官学民のネットワークは市全体の医療・福祉政策に波及する推進エンジンとして機能するまでに発展。

 団地内施設を活用し、住民が気軽に医療、健康について相談できる「ふじたまちかど保健室」や、「地域包括支援センター出張所」「豊明医療介護サポートセンターかけはし」、働く世代の子育てをサポートする「病後児保育室」などを集約するとともに、大学生の団地居住や学生のコミュニティ活動の参加などを通じて多様な世代がいきいきと暮らし続けられる住まい、まちづくりを目指しています。

「ふじたまちかど保健室」は藤田医療大学地域包括ケア中核センターサテライトとして、大学として推進する先進的地域包括ケアモデルです。団地学生居住として、藤田医療大学の学生さん12人居住。居住学生による地域活動参加、自治会活動、保健室活動に参加し住民と交流。また、高齢独居者との食事会、安否確認、災害時の避難誘導、清掃活動などもされ、地域貢献されています。学生さんは、団地に住む事で高齢者が抱える現実の生活課題を学ばれてもいます。

「ふじたまちかど保健室」は、平成25年、全国初の学校法人による介護保険事業設置許可がされ、居宅介護支援事業所・訪問看護ステーションを設置。団地商店街内の空き店舗を利用したUR都市機構中部支社と藤田保健衛生大学による共同プロジェクトとして開所。地域包括ケアを担う地域の人材育成とモデル的取り組みを実践。

団地集会所は地域医療福祉拠点施設に改修され、団地内には、他にも病後児保育室も設置されています。市民の皆さんが「ふつうに暮らせるしあわせ」を実現するために、市内の産・官・学・民の資源・知識を集約し地域の問題解決・環境改善に取り組む地域包括ケア事業「けやきいきいきプロジェクト」で、大変に多くを学ばせて頂きました。

 

 

 

 

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