食と農について

横浜市内には、市域の約7%に当たる 2,850ha の農地があり、主に市内の 3,451 戸の農家が耕作しています。農地の約 93%は畑で、主に野菜や植木、果樹が栽培されています。田は農地全体の約7%しかありませんが、生産の場としてのみならず、洪水防止や水源涵養、気候緩和や生物多様性の保全などからも貴重な存在となっています。

市内農家の農業産出額は約 112 億円と推計され、県内では第1位、全国 1,719 市町村中でも 226 位になります。いも類を含む野菜類が約 80 億円で農業産出額の7割強を占めており、全国 58 位です。続いて、果実が約 11 億円で約 10%、畜産が約9億円で約8%、花きが約8億円で約7%、米・麦・雑穀・豆類などは合わせて2億円弱で約2%です。

現在、コメの価格高騰などを受け、農産物の安定供給の重要性があらためて注目されています。将来にわたり持続可能な食料供給の仕組みを作り、国内の生産者を支えることは、食料安全保障の観点からも欠かせません。食と農守る事について、公明党の考え方、取り組みについて、公明新聞(6・30)に掲載をされています。横浜市における都市農業の推進・在り方についても重要な課題の一つです。

自然災害や猛暑などに備え、農家が安心して生産を続けられる仕組みの構築は欠かせません。公明党の推進で、国は農業保険制度の充実に努めてきました。自然災害による損害を補償する「農業共済」に加え、2019年からは「収入保険」が創設されました。原則、全ての農産物が対象で、自然災害による収入減だけでなく、価格低下も含めて収入を補えるのが特長です。創設以来、加入者は着実に拡大しています。農林水産省によると、農業保険全体で見た場合、23年産における水稲の作付面積の79%が加入しています。

担い手が不足する中、農業を魅力的な産業にしていくには「稼げる農業」への転換も重要です。公明党は、農業技術と先端技術を組み合わせた「スマート農業技術」の普及に力を入れています。生産性向上のほか、生産コスト低減にもつながると期待されています。24年10月には、スマート農業技術活用促進法が施行されました。政府は集中支援プログラムを設け、スマート農業技術の開発などに対する財政的な支援や、普及に向けた環境整備に取り組んでいます。こうしたことにより、30年度までに、普及率50%以上をめざしています。

6月11日には、農畜産物の適正な価格形成を実現するための食料システム法が成立。肥料や飼料、燃料、機械などの資材高騰に伴う生産コスト増が課題となっていることを受け、農家の再生産可能な所得確保につなげる狙いです。改正法では、全ての品目において、農家ら売り手と買い手に、価格交渉へ誠実に臨むよう求める努力義務を規定。取り組みが不十分と判断された場合、農水相が指導・助言を行います。生産者と消費者の双方が納得できる価格形成が重要です。
農林水産省によると、基幹的農業従事者は今後20年間で、現在の約4分の1となる約30万人に急減すると予想されています。担い手の高齢化、後継者不足による耕作放棄地の拡大は、農業を取り巻く構造的な課題で、新規就農者の育成・確保は急務です。
 
政府は25年度予算で「新規就農者育成総合対策」に107億円を計上。経営が安定するまでの最長3年間、年150万円を交付する「経営開始資金」について、親族から受け継ぐ親元就農者も活用しやすくなるよう要件緩和などを行いました。また、手付かずの農地などの集積や規模拡大を進める担い手に対しては、機械導入や施設整備への補助をしています。
口減少に伴う国内市場の縮小が見込まれる中、新たな販路開拓に向けて、農林水産物の輸出に取り組む産地・事業者を重点的に支援しています。
24年の農林水産物・食品輸出額は12年連続で過去最高を更新し、1兆5073億円に。特に、牛肉や乳製品、コメなどの品目に力を入れており、政府は25年に2兆円、30年に5兆円をめざす目標を掲げています。25年度予算では、地域の関係者が一体となり、輸出の推進体制を構築する取り組みを複数年にわたり支援。輸出事業者への伴走支援なども盛り込まれました。輸出拡大だけでなく、インバウンド(訪日客)による消費額拡大もめざれます。
 
公明党は、日本が誇る質の高い農林水産物の輸出を一貫して推進。事業者との意見交換を重ね、政府に支援策の拡大などを求めてきました。25年4月、政府は中長期的な農政の指針となる「食料・農業・農村基本計画」を閣議決定。この計画は24年に、四半世紀ぶりに改正された、農政の憲法とも呼ばれる「食料・農業・農村基本法」に基づくものです。公明党が25年2月に行った提言の内容が数多く反映されています
 
新計画では、25年度からの5年間で「農業の構造転換を集中的に推し進める」と明記。農業が抱える課題である担い手不足、農地の分散化、所得向上、気候変動への対応などに対し、抜本的な対策を講じることとしています。水田政策は、27年度から根本的に見直します。現在、具体化に向けて検討が進んでいます。農家の「稼ぐ力」を強化するため、コメ輸出のさらなる拡大にも取り組みが重要です。輸入依存度の高い麦・大豆の国内生産増大も盛り込まれています。
 
 生産性アップに向けては、点在している小規模な農地の大区画化を進めるほか、スマート農業技術の導入により、1経営体当たりの生産量を23年度の47トンから86トンへと増やします。49歳以下の担い手については、親元就農などを促進し、23年度の4万8000人を維持する目標を掲げています。気候変動への対応では、生産過程で排出される温室効果ガス削減の必要性にも言及。27年度を目標に創設する新たな環境直接支払交付金で、環境負荷低減を支援するほか、取り組みを「見える化」することで消費者の理解醸成も図るとしています。
農業には、成長産業化に向けた大きなポテンシャルがあります。農業をもっと魅力ある産業にすることで、「チャレンジしたい」と思っていただける人を増やし、応援することで、“食と農を守る公明党”としての役割を果たしていきます。
 
 
 
 
 
 

 

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