「横浜の将来」について 政策経営局審査質疑

横浜市政の現状の課題解決を推進するために全庁的な観点から総合調整機能を発揮。司令塔の役目を果たし運営をけん引するとしているのが政策経営局です。令和5年度時点では、政策局でしたが今年度局再編により政策経営局となっています。第3回横浜市会決算特別委員会の政策経営局の審査にて質疑に立ちました。(以下要旨)

●予算代表質疑において、我が党より政策経営局への改編の狙い等について市長に確認しました。本日は改めて、政策経営局の初代局長となった松浦局長にも、改めて伺いたいと思います。平成23年に、新たに財政局、文化観光局が設置され、「都市経営局」から「政策局」に局名が変わるような、大規模な局再編成が行われました。

当時、政策局の設置理念として、基本構想の具体化に向けた政策・企画の立案と政策面における総合調整及び推進支援というものでした。それから10年余りが経過した今年、脱炭素・GREEN×EXPO推進局や、みどり環境局、下水道河川局が設置され、あわせて政策局から政策経営局への改編がありました。都市経営局から変遷した局としては再び「経営」の2文字が局名に刻まれることになりました。

【質問】「政策経営局」に求められる役割について伺う。

【答弁】人口減少など市政は重要な時期に入り、「持続可能性」を重視していく必要があります。その理由は、今後、財源や人材など経営資源が限られてくる中でも、私どもは市民生活の安全安心や経済活動の環境整備等に、しっかりと取り組んでいく責務があるからと考えています。そのためには、「財政ビジョン」を土台に社会経済環境の変化に柔軟に対応しながら、市役所全体はもとより、職員一人ひとりが市民目線やデータを重視し、より質の高い施策の立案や、「創造と転換」の歳出改革を実践することが必要となります。政策経営局はこうした役割を担う局として自ら実践し、局区をリードしていきます。

●とりわけ、新設されたのがデータ経営部です。データに基づく施策評価によって施策の質の向上を高めていくという、これからの市政において重要な役割を担う部門です。そこで、データ経営部の主要な取組である施策評価について順次伺ってまいります。施策評価は、創造と転換を理念とする歳出改革を推進する仕組みの一つ「評価制度の再構築」として、昨年度から新しく始めた取組と認識しています。5年度は総務局の評価制度専任チームで、そして、6年度からデータ経営部に移管し、取組を推進しているとのことですが、

【質問】令和5年度の施策評価の取組について伺う。

【答弁】5年度は、施策と事業の関係を論理的・体系的に示すロジックモデルの作成を、中期計画事業の半分程度、約700事業で行いました。また、ロジックモデルに加え、事業類型や対象者情報などのデータベース化も進めました。これらのデータを活用し、一部施策で施策評価を試行するなど、今年度からの本格始動に向けた土台作りに取り組みました。こうした取組により、各局の「創造と転換」を促し、6年度予算では約1億円の財源を創出いたしました。

●6年度から、施策評価を本格的に進めているとのことで、それが、データドリブンプロジェクトだと認識しています。データドリブンは、マーケティング分野などで用いられる用語。「データ」という単語に、駆動する、推進することを意味する単語の「ドリブン」を組み合わせたものです。勘や経験だけに頼らず、収集・蓄積したデータの分析をもとに、施策や方針を立案し、意思決定を行う「経営プロセス」を指し、民間ではマーケティング分野に限らず様々な分野において活用しています。会社経営でAmazon.comは、初期からデータトリブン経営を推進してきた。販売予測し在庫の保持から、交通状況や天候データも利用して最適配送ルート、時間、順序、等の最適化を図っています。こうしたデータに基づく経営プロセスは、行政運営においての最適化に活用できるのではないか、どうか考えます。

【質問】データドリブンプロジェクトの概要について伺う。

【答弁】施策の所管部長をリーダーに、所管部署を主体に、データに基づき、施策の質の向上や、より効果的な事業への転換、類似事業の整理等を進めるプロジェクト形式の取組でございます。具体的には、ロジックモデルや事業関連データを活用して、施策目的と紐づく事業の関係性の確認、事業間の類似性、事業の効率性や実施効果等を分析・検証します。分析を踏まえまして、施策・事業の今後の方向性を検討し、予算編成等と連動させ、データ経営を推進いたします。

●プロジェクトではデータに基づいた議論を活発に展開し、その結果を今後の施策立案や予算編成にしっかり反映すべきと思います。データドリブンプロジェクトは、今年度5施策で実施し、今後、すべての施策、残り約40となりますが、これらを段階的に展開するということで、このような取組は初めてであり、他都市と比較しても先進的な全庁挙げてのビッグプロジェクトと捉えています。

【質問】施策評価の実施にあたっての政策経営局長の決意を伺う。

【答弁】限られた経営資源の中で、より良い市民サービスを提供するためには、「施策立案や予算編成」「執行」「評価」「改善」の経営サイクルにおきまして、データに基づいた議論の徹底が重要になります。そして、この「データドリブンプロジェクト」は、施策・事業の「目的」「手段」「成果」をデータ活用により分析・検証する、データ経営の根幹となる取組と位置づけております。データによる議論が庁内に定着するよう、当局ではデータ経営部を中心に、全施策のプロジェクトについて、所管部署を全面的にサポートし、しっかりと推進してまいります。

●今後の横浜市を取り巻く環境は、人口減少、少子高齢化の進展が確実に見込まれる一方で、経済情勢をはじめ、本市を取り巻く社会環境は変化が激しく、また、激甚化・頻発化する自然災害など、将来予測が難しい状況にもあります。このような中でも、様々な課題に着実に対応し、より良い市民サービスを提供することで、横浜の豊かな未来を将来につなぎ、持続可能な都市を実現していく責任が我々にはあります。そのためには、横浜市の将来像を市民の皆様と共有し、効果的に政策を推進していく必要があります。

【質問】持続可能な都市に向けた、戦略の方向性について副市長に伺う。

【答弁】横浜が将来にわたり成長し、持続可能な都市として発展していくためには、「市民生活の質の向上」と「都市の活力の向上」の好循環につなげていくことが重要と考えています。そのため、しっかりと財源を確保しながら、子育ての環境の充実や、あらゆる世代の健康づくりをはじめ、現在、市民目線で検討を進めている「新たな地震防災戦略」など、防災減災への対応にも取り組んでいく必要があります。また、臨海部の水際線をはじめとする観光資源の磨き上げや、脱炭素化の取組強化など、横浜の都市としての価値を高めていきます。

●横浜の明るい未来、持続可能な都市の実現に向けて、経営戦略・データ経営の両立、全庁一丸となった取組を進めていただくことを期待します。

 

 

 

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