鹿児島市大規模噴火時でも犠牲者ゼロ「火山防災トップシティ構想」

公明党横浜市会議員団で、鹿児島市火山防災トップシティー構想を視察。

世界には、約1,500の活火山があります。そのうち、日本には110の活火山があり、世界でも有数の火山国といえます。横浜市内には火山はありませんが、周辺には富士山や箱根山などがあり、これらの火山が噴火した場合には火山灰等による被害が出る可能性があります。火山灰は「灰」と書きますが、主にマグマが発泡してできる細かいガラス片のようなものであり、木や紙などを燃やしてできる灰とは成分も性質も異なります。降灰による被害は次のようなものが予想されます。(横浜市HP)富士山の「火山ハザードマップ」では、神奈川県内にも溶岩流などによる影響がおよぶ可能性が示されています。また、降灰については、県内全域に影響がおよぶ可能性が考えられています。

鹿児島市での過去の歴史の中では、1914年に起きた大正噴火では、噴煙が18.000mまで上がり、大量の軽石や火山灰が降り積もったそうです。流れ出た溶岩流が島だった桜島と大隅半島との間の海峡をうめつくし、陸続きとなりました。マグニチュード7の地震も発生。鹿児島の市街地にも大きな被害をもたらしています。

●身体への影響/・鼻やのどの痛みやせきなど、呼吸器系への影響・目のかゆみや痛み・皮膚の痛みや炎症 ●日常生活への影響/・雨水を含んで固まった火山灰による家屋等への被害・スリップなどによる交通事故や交通機関の乱れ・農作物への被害・静電気による電子機器への被害・湿った火山灰が送電機器のがいしに付着すると漏電し、停電が発生します。

地震被害の破壊というイメージとは違う被害が降灰により生じます。大量の降灰のイメージがなかなか湧きませんが、都心部で雪が積もっただけで交通をはじめとした機能にトラブルが生じます。雪は解けますが、火山灰は解けません。

鹿児島市に所在する桜島は、60年以上の長きにわたって火山活動を続けており、桜島及び周辺地域の住民生活をはじめ、農作物等各面にわたって大きな影響を与えています。この活火山桜島を有し、麓や対岸に合わせておよそ60万人の市民が生活している鹿児島市では、これまでハード・ソフトの両面から火山防災対策に取り組み、さまざまな試行錯誤を経ながらその充実に努めてきました。火山防災に係る取組は、長年の経験や実績に裏打ちされた実効性のある対策となっています。これらをさらにブラッシュアップし、火山防災のモデルとして世界に発信することにより、国内外の火山災害の被害軽減に寄与できるものと位置づけられています。

そこで、鹿児島市では、「大規模噴火でも『犠牲者ゼロ』を目指す防災対策」、「次世代に『つなぐ』火山防災教育」、「『鹿児島モデル』による世界貢献」の3つの取組みの柱を設定した「火山防災トップシティ構想」を策定。各種施策に取り組んでいます。

「火山防災トップシティ構想」の目的として、総合的な「桜島」火山防災力の底上と桜島火山の魅力発信による交流人口を含めた関係人口の拡大。トップレベルの火山防災に取り組み「安心して観光できるかごしま」として、桜島火山の恵みなどの魅力を発信することにより、交流人口を含めた関係人口の拡大を図るとしています。取り組みの柱として以下の3つを掲げています。

【取組の柱1】大規模噴火でも「犠牲者ゼロ」を目指す防災対策これまでの火山防災対策にさらに磨きをかけ、大規模噴火時においても、犠牲者が出ない体制の構築に取り組みます。

【取組の柱2】次世代に「つなぐ」火山防災教育市民の誰もが桜島のなりたちや火山の恵み、文化を学び、桜島への関心と愛着を育むとともに、火山災害時における対応を理解し、身につける火山防災教育の取組を推進します。

【取組の柱3】「鹿児島モデル」による世界貢献これまで培ってきた桜島の火山防災対策を、「鹿児島モデル」として、あらゆる機会を活用して発信することで、世界への貢献を目指します。

今後は、2025年度に「桜島火山防災研究所」(仮称)を設置。同年度は鹿児島市山下町の本庁舎内に構え、将来的には桜島横山町に26年度開校予定の義務教育学校「桜島学校」内に置くことを検討しているとの事です。
横浜市においても、緊急物資等を輸送するため道路、緊急輸送対策等、全体降灰による道路の使用制限等を市民の皆さんともイメージを共有すること、そして対策が大切になります。

 

 

URL :
TRACKBACK URL :

コメント

  • 最近の投稿
  • 人気の記事
  • Category
  • アーカイブ