「働き方改革関連法」と「物流の2024年問題」について

2024年4月1日にトラックドライバーたちにも「働き方改革関連法」が施行されました。ニュースでよく聞く「物流の2024年問題」の源流はこの「働き方改革」にあります。「物流の2024年問題は、業界の問題でなく社会問題です」と、新横浜に本部がある(一社)神奈川県トラック協会さんの会合で、吉田会長がお話しをされていた事が強く記憶に残っています。

同協会のHPにて、「物流の2024年問題」に関する意識調査として、運送関係者と一般消費者の独自調査の結果を発表されていますので一部をご紹介させていただきます。(詳細:https://www.kta.or.jp/pub/project2024/01/)

一般社団法人神奈川県トラック協会は、神奈川県の運送関係者 1,035人および神奈川県の一般消費者3,000人を対象に「物流の2024年問題」に関する意識調査を実施いたしました。調査の結果、「物流の2024年問題」について、神奈川県の運送関係者の約85%は内容まで理解している一方で、神奈川県の一般消費者の約3人に1人が「名称も知らない」ということが分かりました。また、運送関係者は再配達の有料化を求める一方で、一般消費者の約3人に1人は「有料化は考えられない」と回答。運送関係者と一般消費者の間で「物流の2024年問題」に対する理解や意識の差があることが明らかになりました。

「物流の2024年問題」を理解している一般消費者の割合は、運送関係者の半分以下という結果です。「物流の2024年問題」について尋ねたところ、一般消費者の35.6%が「名称も内容も理解している」、29.2%が「名称も知らない・内容も分からない」と回答し、約3人に1人が「物流の2024年問題」について理解できていないことが分かりました。また、一般消費者の中でも20代一般消費者の約2人に1人が「名称も知らない・内容も分からない」と回答し、特に若年層の「物流の2024年問題」への理解が低い結果となりました。一方で、運送関係者の85.5%が「名称も内容も理解している」と回答し、「名称も知らない・内容も分からない」と回答した人は0.7%と、運送関係者のほとんどが「物流の2024年問題」を理解。運送関係者と一般消費者の間で理解の差が生じていることが分かりました。

今回の調査では、物流の2024年問題の認知度は若者ほど低いことが分かりました。若者のテレビ離れやネット依存によって、自分の好きな情報にしか触れなくなっていることも要因と言えますが、物流は生活するうえで必要不可欠な「社会インフラ」。年齢や性別、職業に関係なく、日本に住むほぼすべての人が物流なくしては生活できません。物流の2024年問題がどういうものなのか、自分たちの生活にどう影響するのか、正しい知識と意識を消費者ひとりひとりがもつ必要があると言えます。

昨今、「物流の2024年問題」への対応策として、再配達を削減するなど効率的な運送に向けた機運が高まっています。本調査では、運送関係者から「再配達の有料化」への理解を求める声があがる一方で、一般消費者の約3人に1人が再配達の有料化について「追加で支払うことはできない・考えられない」と回答し、運送関係者と一般消費者の意識にギャップがあることが明らかになりました。運送関係者からは、(仮に宅配の場合)「再配達を希望する方に対しては2回分の運賃として1,000円以上は負担してほしい」、「置き配ができる施設を充実させたり、不在の場合は受け取る側が自ら引き取りに来る制度を導入してほしい」など、有料化やトラックドライバーの負担を軽減するための対応策を求める声が多くあがりました。フリーライター橋本愛喜さんは、世界の配達事情から見ても日本のように何度も再配達が時間通りに無料で提供される国はごく稀。「今までが過剰サービスだった」「これまでの物流はドライバ―の犠牲のうえで成り立っていた」ということを、消費者や荷主側が認識する必要があるでしょうと述べられています。

他にも物流問題に対するトラックドライバーさんの声や、仕事内容の実態等が紹介されています。ので一度ご覧いただけたらと思います。国内の輸送機関にはトラック、船、鉄道、航空機などがあります。このうち92%をトラックが運んでいると言われます。当たり前の中の日常としている物流の構造について、しっかりとした意識改革が必要です。

 

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