こどもまんなか実行計画の策定

 政府は先月、今後実行する子ども・若者政策を一元的に示した「こどもまんなか実行計画2024」を決定。同計画は、公明党が2022年11月に発表した「子育て応援トータルプラン」の内容を盛り込んだ「こども大綱」に基づき、今回初めて策定されたものです。政府の子ども・若者政策をリードしている公明党の取り組みについて、党少子化対策・子育て支援本部長の山本香苗参院議員に聞いた内容が掲載されていました。(以下)

 

■省庁横断の“こども版”骨太方針――実行計画策定の意義は。

各省庁がバラバラに行っていた子ども・若者政策が初めて一元化され、今後、取り組む内容が示されました。各施策の実施状況を踏まえて毎年6月をめどに改定し、関係省庁の予算概算要求に反映されます。5月31日の政府会議で、首相は「こども政策に関する全体像であり、『こども版骨太方針』となるもの」と述べています。

――近年、大きく前進している子ども・若者政策の全容として、22年に成立した「こども基本法」によって、子どもを権利の主体と明確に位置付け、その権利を包括的に保障していく土台ができました。23年4月にはこども家庭庁が発足し、子ども・若者政策の司令塔組織もつくられました。政策推進の環境は整いましたが、重要なのは中身。その具体的な政策と必要な財源について練り上げ、「子育て応援トータルプラン」として他党に先駆けて提案し、強力に推進してきたのが公明党です。

■公明プランを最大限反映――党プランは、政府の政策にどう反映されているか。

党プランは策定まで約1年半かかりましたが、党として子育て応援アンケートを全国展開したほか、子どもや若者、子育て当事者らの声も直接伺いました。こうした現場の声を反映し、若者の経済的基盤強化を含め、結婚、妊娠・出産から子どもが社会に巣立つまで切れ目のない支援策を網羅的、体系的に示したのが党プランです。

今後5年程度の子ども・若者政策の基本方針となる「こども大綱」には、党プランの内容が最大限盛り込まれています。特に、ライフステージに応じて切れ目なく支援する取り組みはトータルプランそのものです。また、首相が掲げる「異次元の少子化対策」を具体化した「こども未来戦略」(23年12月閣議決定)にも党プランが反映されています。同戦略に基づき、今年度から3年間で集中的に取り組む「加速化プラン」(年最大3・6兆円規模)を実行するための改正子ども・子育て支援法などが今月5日に成立し、財源も確保されました。

――今後は、子どもや若者、子育て家庭に確実に支援策を届けるには、これからが正念場です。運用状況も検証しつつ、地方議員の皆さまと共に一層の拡充に取り組みます。また、保育士など担い手確保も重要です。子ども・若者を“まんなか”に、誰もが安心できる社会の実現に全力を挙げていく。

■ライフステージに応じて387施策「こどもまんなか実行計画」は、子ども・若者政策の基本方針となる「こども大綱」に基づき、今回初めて策定されました。少子化対策や子どもの貧困対策など387項目を挙げ、担当省庁も明記。こども未来戦略の「加速化プラン」に盛り込まれた政策も含まれています。同計画には、各施策の進捗状況を検証するための指標や工程表が盛り込まれ、毎年改定されます。子ども・若者のライフステージを通じた政策として、ヤングケアラーへの支援や、子ども・若者の自殺対策の強化を進めます。

ライフステージごとの政策としては、「誕生前から幼児期」に出産費用への保険適用の検討や「こども誰でも通園制度」の創設、「学童・思春期」には、いじめ防止や不登校の子への支援強化を掲げました。「青年期」には、高等教育費の負担軽減や結婚希望者への支援を行います。施策の推進に関わる事項では、国の政策決定過程への子ども・若者の参画や、自治体こども計画の策定を進めます(公明新聞2024/06/16 1面より)

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