単身高齢者の人たちの賃貸入居を円滑にする住宅セーフティネット法などの改正案が国会 で審議されている模様が公明新聞に掲載をされています。(以下)
単身高齢者のが人たちが賃貸住宅に入居しやすいよう、 入居後の見守り支援を行う「居住サポート住宅」 の創設を盛り込んだ住宅セーフティネット法などの改正案が今国会 で審議されています。入居者の生活を継続して支援し、 大家が安心して物件を貸し出せる環境を整えるのが目的。 改正案の内容を解説するとともに、その意義について、 政府検討会の座長である東京大学大学院工学系研究科の大月敏雄教 授のコメントを紹介。
■NPO法人などが訪問や見守ることで大家の不安や負担抑える
国土交通省によると、単身高齢者世帯は増加傾向にあり、 2030年には800万世帯に迫る見通し。 持ち家率の低下などにより、 高齢者の賃貸住宅へのニーズが高まることが想定される。一方で、孤独死した場合の対応や家賃滞納などの懸念から、 単身高齢者の入居を大家が拒むケースがある。 このため借り手と貸し手の双方が安心して利用できる賃貸住宅市場 の整備が求められています。
そこで改正案では、入居中のサポート機能が付いた「 居住サポート住宅」を創設する。具体的には、 単身高齢者や障がい者、生活困窮者など、住まい確保の「 要配慮者」の入居支援を担うNPO法人などの居住支援法人が、 定期的に訪問して見守りをしたり、 人感センサーなど情報通信技術(ICT) を活用して安否確認を行うサポート住宅を、自治体が認定する。 高齢者らが入居中に生活や心身の状況が不安定になった場合は、 居住支援法人が必要に応じて、医療や介護、 自立支援などの福祉サービスにつなげます。賃貸住宅の契約に当たって、 要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国が認定する制度も設 ける。入居者の家賃滞納リスクを抑えるのが狙いだ。 連絡がつく親族がいないため、 契約を断られる単身高齢者が多いことが背景にある。また、入居者の死亡後に残る家財など残置物処理の円滑化や、 死亡時に賃貸借を終了する終身建物賃貸借の許可手続きを簡素化し 利用を促す。このほか、要配慮者の入居支援のため、自治体と地域の支援法人、 不動産関係団体などでつくる「居住支援協議会」について、 市区町村レベルでの設置を努力義務とする。 現在は都道府県単位で置かれているケースが多いため、 より身近な地域での設置を促す。
公明党は、住まいを社会保障の基盤の一つと位置付け、 福祉との連携による住宅確保支援策を強力に推進。 先進事例の視察などを通じ、法整備の必要性を訴えてきました。記事には、東京大学大学院工学系研究科教授 大月敏雄氏のコメント(以下)も掲載をされていました。
「今回の改正案で重要なのは、 これまで国交省住宅局の所管だった法律が、 国交省と厚生労働省の共管的な法律として、 位置付け直されている点だ。居住支援を行う上で、行政の住宅部局と福祉部局が風通し良く、 同じ情報を持って連携して動く必要がある。 検討会の場でも国交省と厚労省の縦割りをなくしてほしいとの意見 が多かった。今後、国から各自治体へ情報提供する際に、 両分野の担当者の耳に同じように入ることになる。 これまでは分野が違えば扱う言葉も違った。 住宅施策と福祉施策の緊密な連携が強化される意義は大きい。
■NPO法人などが訪問や見守ることで大家の不安や負担抑える
国土交通省によると、単身高齢者世帯は増加傾向にあり、
そこで改正案では、入居中のサポート機能が付いた「
公明党は、住まいを社会保障の基盤の一つと位置付け、
「今回の改正案で重要なのは、
市区町村での居住支援協議会の設置の促進も、 国として住宅と福祉の関係者の連携を充実させる意気込みを感じる 。賃貸住宅はこれまで将来の準備をする“仮住まい” と捉えられる傾向にあった。だが、新型コロナをはじめ、 非常にリスクが多い時代に入ってきた中で、 その役割は変わってきている。それは住まいを失った人に対し、 セーフティーネット(安全網)として入居できるような役割だ。
その一方で、住宅のみを用意すればいいとは限らない。 賃貸住宅を緊急に必要としている人は、 介護や医療などいろいろなサポートも必要としている。 住宅とサポートの両にらみで今後の賃貸住宅の供給を考えることが 大切だ。 その意味では改正案に盛り込まれたサポート付き住宅は大きな意義 がある。住宅を単体ではなく、 ソフトウエアが付いたハードウエアとして供給する時代だ。 供給する側が知恵を出し合って、 地域の人々の居場所になり得る賃貸住宅の提供を期待したい。
その一方で、住宅のみを用意すればいいとは限らない。
今後の課題は、住宅分野と福祉分野を担う人材の交流だ。 地方の自治体では福祉分野の人材は多い一方で、 住宅分野を担う人材が不足している。 例えば現場感を持った都道府県の住宅部局と市区町村の福祉部局が 斜めにつながるといった場面が増えてほしい。 人事交流などを通じて、 経験と言葉を共通化させていく流れができるとよい。
もう一つは住宅リテラシーを高めることだ。 例えばお腹が痛くなれば医者に行くのは誰もが知っている。だが、 相続の問題になった場合はどうすればいいか分からない人が多い。 賃貸住宅の契約の際も難しい言葉が並ぶ。 自分自身の身を守るための知識として、 教育をはじめ相談窓口が身近に増えていくことが重要だ。地域には、公営や民間の貴重な住宅資源がある。 国と地方議員のネットワークが強みの公明党には、 資源を生かした取り組みを推進してもらいたい。
もう一つは住宅リテラシーを高めることだ。
横浜市においては、横浜市住宅供給公社を中心に居住支援協議会が設置をされています。福祉部門やそれぞれの区等とも連携の必要性や、相談体制のか拡充をこれまで訴えてきました。相談窓口の名称も「よこはま住まいサポート」に決定しました。