妊婦・産婦健康診査事業及びいじめ再発防止に向けた学校体制の強化

横浜市会第2回定例会において、上程されている補正予算の内容は、妊婦・産婦健康診査事業及びいじめ再発防止に向けた学校体制の強化です。公明党横浜市会議員団を代表して議案関連質疑を行いました。

妊婦・産婦健康診査事業については、先月「妊婦健診の公費負担額の拡充を求める要望書」を自民党とともに提出し、今回の補正予算議案の提出につながったものです。

妊婦健診は、母子の健康を守るために大変重要な健診ですが、かつて公費負担は2回までしかなく、残りは全て自己負担としなければなりませんでした。経済的負担の重さから健診を受けず、陣痛が始まってから初めて医療機関を訪れる「飛び込み出産」が相次いでいた中で、平成19年に他の自治体では未受診妊婦を受け入れる病院が見つからず、救急搬送中に死産に至る事例もありました。全ての妊婦が安心して出産に臨めるよう、公明党は各地で議会質問や署名活動を展開し、平成21年には公費助成が14回分へと拡充され、全市区町村で14回以上の公費助成が実現し、これは、公明党のネットワークを生かし、継続して取り組み続けた成果であると自負をしています。

一方で、自治体ごとに公費負担額は異なり、横浜市を含む神奈川県は、全国的に低い水準に留まっています。そして、今年度当初予算に計上された、本市独自施策である出産費用助成金に加えて、妊婦健診の公費負担額が拡充されることになります。

今回の助成を受けるにあたっては、対象者となる妊婦の方から申請を行っていただくことになりますが、妊娠期においては、体調が優れず日常生活に支障をきたしていたり、仕事を継続しながら忙しく過ごされている方も多いことから、できる限り簡便な手続きにする必要があると思います。そこで、市長に対して、事業実施にあたっては市民の手続きの負担を可能な限り軽減すべきと考えますが、市長の見解を質しました。

また、公明党は、「子育て応援トータルプラン」を掲げ、「子どもや若者世代に対する未来への投資は人口減少を食い止めると同時に、社会保障の担い手を増やすことにつながる」との認識を広く国民の皆さまと共有し、このプランの実現に党をあげて取り組んでいます。今回、横浜市では、妊娠期から出産までに焦点を当てて支援を拡充することになりますが、引き続き、出産後も安心して子育てできる環境を整えていくことが重要だと考えます。

そこで、出産後から乳幼児期についても、切れ目のない支援を一層充実させていくべきと市長の見解を求めました。今回の助成によって、妊婦の皆さまの経済的負担が軽減され、より安心して産前の期間を過ごし、出産を迎えることができると考えます。今後も横浜市として、公明党が目指す「子育て応援トータルプラン」のライフステージや子どもの年齢等に応じた支援の充実に取り組んでいただくことを要望。

いじめ再発防止に向けた学校体制の強化につていは、総合的な再発防止策については、現在とりまとめているところと聞いていますが、策定を待つことなく、先行して取り組むべきものもあると考えています。そのような中、いじめ再発防止に向けた学校体制の強化として、スクールカウンセラーの配置と校内ハートフル事業の拡充が、今回の補正予算で提出されたことについては、評価するところです。3月に公表された「いじめ重大事態」の調査報告書の中では、「スクールカウンセラーが生徒やその保護者と関わり合う機会はなかった。」と記載されていましたが、校内ハートフルについては具体的な指摘はなかったと記憶しています。

そこでまず、学校体制の強化として、スクールカウンセラーの拡充だけでなく、校内ハートフルの中学校 全校実施についても盛り込んだ意図について、教育長に質しました。これまで、公明党が不登校生徒支援事業における重要施策の一つとして、複数年にわたって早期の中学校全校設置を求めてきた校内ハートフル事業ですが、このたび、教育委員会が策定した「教育振興基本計画」における目標年度である令和7年度を前倒して、全校設置を実現したというのは、高く評価したいと思います。

校内ハートフル事業は令和2年度に開始して、5年目に146校、全中学校で実施することになるわけですが、この施策は学校体制の強化だけでなく、 子どもたちにとって、本当に安心して学習・生活できる場と感じられている取組であるのか、貴重な財源を充てて事業を実施するにあたり、改めて確認したいと考えます。そこで、校内ハートフル事業は学校体制だけでなく、子どものニーズに合った施策としてしっかりと充実させていくべきと教育長の見解も質しました。(答弁内容別途)

昨年度、公明党横浜市会議員団で視察した学校のように、何年もこの事業に取り組んでいる学校には、クラスで生活しづらい生徒に対する温かい眼差しや、教職員一丸となった支援など、様々なノウハウが蓄積されていると感じています。一方、今回、年度途中から事業を実施する学校の中には、新たな取組に対する不安から、「不登校の生徒への支援」と対象を限定したり、支援員と教職員との連携が十分に行われないのでないか、などの懸念もあります。また、同じ時期にスクールカウンセラーを追加配置するのであれば、校内ハートフルにおいても、スクールカウンセラーの力を活かすことができるのではないかと考えます。そこで、スクールカウンセラーと校内ハートフルの拡充が学校全体でのいじめ・不登校対策の両輪として機能し得るのかについても教育長に質問。

悲しい自死事案を二度と出さないようにするために、そして孤立感を感じている子どもが自分を認め、人とかかわる力を取り戻すためには、子どもに寄り添う大人が必要であり、スクールカウンセラーや校内ハートフル支援員が、教職員たちとともに、その役割を十分に果たしてくれることを期待します。そして今後は、教育委員会そのものの再発防止に向けた取組を進める段階に入るはずです。学校現場以上に、教育委員会の組織自体に対する課題、指摘に対してはどう向き合い、覚悟をもって取り組んでいくのか、ぜひ改めて教育長の考えをお聞かせいただきたいとのことで、スクールカウンセラーと校内ハートフルの拡充を足掛かりに、再発防止に取り組むにあたって重要と考えるポイントについて教育長に改めて質しました。

再発防止に教育委員会が全力を挙げて取り組んでいくこと、26万人の子どもを支える大きな組織にとって、それは簡単なことではないかも知れませんが、かけがえのない子どもたちの大切な命を守るために、必要な改革を徹底的に進めていく事を強く要望しました。

 

 

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