横浜市令和6年度予算特別委員会における「スタートアップとイノベーションの創出について」の質疑を行いました内容(以下)です。
去る2月3日・4日の土曜日・日曜日に、YOXOフェスティバルが開催され、私自身も2日間とも参加させていただきました。本イベントは、「横浜でみらい体験」をテーマに、みなとみらい地区や横浜ハンマーヘッド、赤レンガ倉庫、関内地区を会場とする大規模なイベントとなりました。月面走行車や宇宙エレベーターなど未来の技術に触れることができたり、山・坂を登ることのできる小型EVモビリティや、歩くようなスピードで移動できる立ち乗りモビリティなど、新たな移動手段に実際に乗車することも可能で、お子さんから大人まで多くの来場者が、大いに未来を体感することができたものと思います。
こうした、実際に目で見て、触れることのできる場づくりは、あらゆる人や組織を横浜に惹きつけ、横浜からイノベーションを創出していく、大変重要な取組であることを、私自身、改めて実感しました。
【質問】YOXOフェスティバルの今後の取組の方向性について伺う。
【答弁】2回目となる今回のイベントは、出展者数と来場者数、イベント数が倍増し、大きな手ごたえを感じています。今後は、コンセプトである「横浜でみらい体験」を軸としながら、ビジネス面の強化や、各出展ブースの質をさらに高めていくこと等について検討してまいります。また、グローバル化を視野に入れ、イノベーションエリアとしての横浜の魅力を国内外に発信できるイベントを目指していきます。
●YOXOフェスティバルを通じて、子どもが横浜で出会った未来の技術に夢を抱き、進学や就職などを経て、横浜で夢を実現できる。こうした環境づくりは正に「子育てしたいまち・次世代を共に育むまち」に繋がるものと思います。こうした環境づくりという観点では、新技術が横浜で実現できる、具体的な支援も重要です。令和6年度予算では、技術系スタートアップの実証実験支援に取り組むことが掲げられており、新技術の事業化に繋がる強力な支援となることを期待しています。そこで、
【質問】技術系スタートアップに対する実証実験支援の狙いと内容について伺う。
【答弁】横浜での実証実験を契機として成長する技術系スタートアップを数多く生み出すことで、国内外から評価されるエコシステム形成につなげることを狙いとしています。実証実験支援の内容ですが、革新的な技術を持つスタートアップを採択し、助成金の交付、試作品の開発、協業先企業とのマッチング、実証フィールドの調整などの伴走支援を行っていきます。
●これに関連して、私は令和5年6月に開始された取組、Mobility(モビリティ・) Innovation(イノベーション・) Hub(ハブ・) YOKOHAMA(ヨコハマ)に注目しています。この取組は、モビリティをテーマに、スタートアップや関連産業を巻き込んでイノベーション創出を展開されいます。
【質問】Mobility(モビリティ・) Innovation(イノベーション・) Hub(ハブ・) YOKOHAMA(ヨコハマ)の取組実績について伺います。
【答弁】昨年6月の立ち上げ以降、7回のイベントやマッチング会を開催し、延べ約 300 人の参画を得て、次世代モビリティのビジネスにつながる交流が図られました。これらの取組により、昨年 12 月ドイツのモビリティに特化したイノベーション支援機関 The Drivery 社との基本合意書締結にいたりました。
●The(ザ・) Drivery(ドライブリー)との連携関係はしっかりと生かしてほしいと思います。今回の基本合意書、MOU(エム オー ユー)では、3つの連携事項が掲げられています。
「モビリティ・スタートアップと大手企業等との連携・交流の促進」・「双方のネットワークを通じたモビリティ・スタートアップ育成プログラムへの参加奨励」・「モビリティ・スタートアップの海外進出支援」 これらについて、具体的な実績が生まれていくことを期待しています。
【質問】The(ザ・) Drivery(ドライブリー)との連携による取組の方向性について伺います。
【答弁】既に、The Drivery 社と市内スタートアップで欧州展開に向けた情報交換が始まっているほか、ベルリンの The Drivery 社に入居するスタートアップの日本での実証実験を支援する取組が進んでいます。
今後、両国を結ぶオンライン・プログラムなどを行い、一層の連携を図ることで、モビリティ・スタートアップにとって横浜が日本と欧州を結ぶハブとなり、国内外に広く認識されるよう取組を進めてまいります。
●The(ザ・) Drivery(ドライブリー)は、ドイツ・ベルリンに約12,000㎡という広大な拠点を持ち、モビリティに関わるスタートアップや大企業など約140社が、ドイツ国内だけでなく世界各国から集まっている。こうした取組を参考に、横浜の地域交通における諸課題の解決と、モビリティ・スタートアップの集積を加速させていけると良いのではないかと考えています。
【質問】「新たなモビリティによる地域の移動課題の解決に取り組むことで、まちづくりと一体となってスタートアップの集積を進めるべき」と考えるが見解を伺う。
【答弁】モビリティ・スタートアップ支援は、高齢者や子育て世代の移動課題の解決につながる取組であり、本市の経済発展とともにまちづくりにも資するものであると認識しています。ビジネス面の支援だけでなく、庁内の関係区局と連携しながら広く市民の皆様にも実証実験にご参加いただき、社会実装に近づける取組を進めながらスタートアップの集積につながる環境を構築してまいります。
●横浜に多い山・坂に適した乗り物や、高齢者が利用しやすいモビリティ、こうした多種多様な課題に挑戦するスタートアップが現れることを期待しています。横浜とドイツベルリン。ベルリンの人口や約364万人。大学や研究機関、自動車産業の集積。都心部と郊外部があり自動車の移動等、都市としての多方面に渡る親和性があります。●多様な新技術や新サービスの事業化をしっかりと支援するとともに、子供から世界の企業や大学まで、多くの方を惹きつける横浜のまちづくりに繋げていくことが大切です。ベルリンの The Drivery 社は、元々は印刷工場という歴史的建造物にベルリンの入居しています。そこには、すぐに技術を試す「開発現場」もあります。良いアイデアがあれば、すぐに試作をする。そして街に飛び出し実証実験をする。 バック・トゥ・ザ・フューチャーに登場する自動車「デロリアン」の様な、夢のあるものを実現する。イノベーションセンターで海外企業を巻き込み、まちぐるみで「開発現場」の環境づくりを目指しています。
【質問】このような夢のある、イノベーションセンターが生まれる環境が横浜にできると素晴らしと思うが副市長に伺う。
【答弁】昨年 12 月、The Drivery 社は日本で初めて、ここ横浜で本格的なビジネスを開始しました。画期的で有意義な第一歩だと考えています。将来的には、ベルリンと同様のイノベーション拠点が横浜に設置されるよう、本市としても The Drivery 社と連携をしっかりし、モビリティ・スタートアップの集積に向けた取組を進めてまいります。夢に終わらせず、着実に一歩ずつ進んでいければと思います。