木造密集地火災対策「感震ブレーカー」の設置

石川県能登地方を震源とする最大震度7を観測した地震で多くの方々が亡くなられ、建物の倒壊で生き埋めになったとの情報も多く寄せられているとの事。また、多くの方々が避難をされ、孤立状態にある地域もあるとの事です。亡くなられた方々に、お悔み申し上げるとともに、大変な状況で避難生活等を強いられているお見舞いを申し上げます。

石川県輪島市で約200棟が燃える大火災が起きました。この地域は狭い範囲に木造の古い建物が並び、地震で大規模火災を引き起こしやすい木造住宅密集地であったとの事。同様の地域は全国に点在し、東京都内にも8600ヘクタールと23区の1割強に相当する面積が残ると日経新聞が報じていました。以下報道内容です。

・地震発生後、輪島市中心部の「朝市通り」周辺で出火。2日午前にほぼ消し止められるまで約200棟に延焼した。現場は狭いエリアに店舗や家屋が集中。都市防災に詳しい東京大の広井悠教授は火災が広がった要因について「古い木造の建物が密集し、延焼しやすかった」とみる。木密を襲う火災は過去にもあった。1923年の関東大震災で、現在の東京23区の中心部にあたる旧東京市全体の4割強が焼失した。

国土交通省は大規模な延焼の危険性や避難の難しさを踏まえ、全国の「地震時等に著しく危険な密集市街地」を集計。2022年度末時点の対象地域は12都府県で計1875ヘクタールに及ぶ。石川県内に該当地域はなかったが、国の定義に該当しなくても古い住宅の密集地は各地に点在し、木密の火災リスクが改めて浮き彫りになった。都は12年、木密解消に向けプロジェクトに着手。鉄筋コンクリートの建物や、延焼を防止する一定の広さがある公園などが占める比率(不燃領域率)を指標とし、同地域が60%未満など高リスクのエリアを木密と定義。広い道路の整備や、建て替えを促す支援を進めてきた。

国の集計とは対象地域の定義が違うため面積は異なるが、20年時点の都内の木密は8600ヘクタール。10年時点からほぼ半減したものの、23区面積の14%にあたる地域が残る。広井教授は電気の復旧時に起きる火災を防ぐ「感震ブレーカー」普及など様々な対策の重要性を指摘。「文化的な背景から木造建物を残す地域もあり、それぞれの地域に合った取り組みを進める必要がある」と話す。(4日付日経新聞)

横浜市においても、木造住宅密集地は存在します。横浜市の最新の地震被害想定(H24.10)では、火災による死者数が1,548人となり、前回の被害想定(H17.3)から大幅に増加しています。そして、過去の大震災における火災の原因の6割以上(原因不明分除く)が電気に関係するものとされています。横浜市においても強い地震が発生した時には、電熱器具等からの出火、また電気復旧時においては、断線した電気コード等からの出火が予想されます。(横浜市HP)

電気による出火を防ぐためには、避難時にブレーカーを遮断することなどが効果的です。しかし、大地震発生時にとっさにそのような行動がとれるとは限りません。感震ブレーカーとは、設定値以上の地震の揺れを感知して自動的に電気の供給を遮断し電気出火を防ぐ効果的な器具です。各家庭に設置することで出火を防止し、他の住宅等への延焼を防ぐことで、被害を大きく軽減することができると考えられています。

「横浜市密集市街地における地震火災対策計画」対象地域にお住まいの世帯を対象に、感震ブレーカー「簡易タイプ」の購入費用の一部助成をしています。申込書1枚で、感震ブレーカー器具をご自宅までお送りします。さらに、65歳以上のみの世帯等、要件を満たす世帯には取付助成も行います。詳細は、横浜市のホームページで「横浜市 感震ブレーカー設置促進」と検索。こうした常日頃からの対策の重要性が身に沁みます。改めて、「感震ブレーカー」普及など様々な対策の推進をしていく必要があります。

 

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