横浜市は、現在唯一実用可能な次世代船舶燃料であるLNG(液化天然ガス)の普及促進に取り組んでいます。バンカリングとは、船舶に燃料供給を行うことです。
国際戦略コンテナ港湾施策として、年々増加するLNG燃料船に対して横浜港にバンカリング拠点を形成を目指しています。横浜港をLNGバンカリング拠点とすることで主に北米基幹航路の寄港を促し、東アジアのハブポートとしての復権を目指します。
CMA CGM社(フランス)のコンテナ船「CMA CGM Liberty」(全長約366m、船幅51m、最大積載数14,806TEU)が、今年7月に横浜港本牧ふ頭D4コンテナターミナルに初めて入港しました。
同船は、CMA CGM社が運航する中南米航路「ACSA1」に投入されている3隻のLNG燃料コンテナ船のうちの1隻として横浜港へ初めて入港。これまで本牧ふ頭に寄港したコンテナ船で最大級の大型船になります。
CMA CGM 社は、中南米からの輸入貨物増加対応に向けた計画の一環として当該航路への大型船の投入を進めるとともに、LNG燃料コンテナ船も活用して環境負荷低減にも取り組んでいます。 横浜港としては、LNGバンカリング(供給)拠点の形成に向け、本牧ふ頭A4岸壁の整備を行ったほか、横浜川崎国際港湾株式会社等が設立したエコバンカーシッピング株式会社がバンカリング船の建造も進めています。今後も、LNGなど環境にやさしい燃料を使用する超大型コンテナ船を受け入れていきます。
また、港湾は日本の輸出入の99%超を取り扱う物流拠点であり、かつ様々な企業が立地する産業拠点です。我が国を代表する港湾である横浜港を擁する横浜市は、水素・アンモニア等の次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵・利活用等、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や臨海部産業の集積等を通じて温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラルポート(CNP)」を形成し、2050年の港湾におけるカーボンニュートラル実現を目指しています。
横浜市臨海部から排出されるCO2は横浜市域全体の約4割を占めることから、臨海部の脱炭素化が横浜市のカーボンニュートラル実現に多くの役割を果たします。そのため、国や民間企業、近隣自治体と連携してCNP形成に向けた取組を進めています。(参:横浜市HP)