京浜臨海部における研究開発機能の集積について

京浜臨海部における研究開発機能の集積について決算特別委員会経済局審査において質疑に立ちました。

今年で着工から40周年という節目の年を迎える、みなとみらい21地区。企業誘致をはじめとする様々な取組により街区開発の進捗率が96%に達していますが、こうした成功事例を市内の他の地域にも展開していくことが重要であると考えます。私の地元である神奈川区や、鶴見区にかけて広がる京浜臨海部は、鉄鋼・造船などの重厚長大産業の一大拠点として、工業製品の生産・輸出という日本経済の中心を担い、長年に渡り国際的地位を向上させてきました。

近年では、世界的な産業構造の変化に伴い量産型の工場から最先端の研究開発拠点への転換が多くみられる一方、事業の縮小・撤退により、工業系用地の遊休地化や、物流・住宅など他用途への転換が進んでいます。この京浜臨海部が、今後も横浜経済の成長のエンジンとして発展し続けるためには、新たなイノベーションの創出に向け、さらなる研究開発機能の集積が大切だと思います。

(1)京浜臨海部における研究開発施設の立地動向について伺う。

【誘致推進部長答弁】令和3年6月にAGC株式会社様が鶴見区に、4年5月に株式会社レゾナック様が神奈川区に、それぞれオープンイノベーションの機能を備えた研究開発施設を開設しました。また、令和5年6月にキオクシア株式会社様が神奈川区で新たな研究開発施設の稼働を開始しました。さらに、神奈川区の株式会社JVCケンウッド様など、新規立地や再投資のご相談も複数いただいており、今後も研究開発拠点の開設が進んでいく予定です。

●京浜臨海部において多くの研究開発施設が立地。今後も立地が予定されている。こうした集積により企業間連携が進み、オープンイノベーションが生まれることが期待されますが、そのためには企業の自発的な取組はもちろんコーディネーターとしての横浜市の役割が非常に重要。

(2)京浜臨海部におけるオープンイノベーションを促進するため、どのように取り組んでいるのか伺う。

【経済局長答弁】令和4年度は、京浜臨海部の立地企業で構成される活性化協議会の活動として、イノベーションに取り組む会員企業の事例紹介、研究開発拠点の視察や意見交換等、企業間連携を促す取組を実施しました。今後は、AGC様の「AO」やレゾナック様の「共創の舞台」など、新たな研究開発施設を活用し、研究者や技術者が気軽に集まれる機会の創出など、オープンイノベーションに向けた仕掛けづくりを積極的に進めてまいります。

●引き続き、経済局には企業間連携を促す取組を進めていただくことを期待します。京浜臨海部の将来像を示す「再編整備マスタープラン」では、先ほど御答弁いただいたレゾナックやキオクシアの研究開発拠点が立地する新子安駅周辺のエリアプランとして、『世界から様々な人が集まる研究開発ハブの形成』を目指すこととされています。

(3)京浜臨海部における研究開発機能の集積に向けた今後の方向性について伺う

【副市長答弁】脱炭素関連の多様な事業者が集積する京浜臨海部の強みを活かし、本年8月に設立した「横浜脱炭素イノベーション協議会」と設立いたしました。そこと一体となり、水素など次世代エネルギー分野における研究開発拠点の形成を目指します。その実現に向けて、マスタープランに位置付けている鶴見区末広町地区や神奈川区新子安地区を中心に、経済局のみならず庁内関係部局との連携を強化し、立地や就業環境の向上を図り、研究開発機能のさらなる集積に繋げていきたいと考えております。

●研究開発機能の集積に向け、局内一丸となって取り組もうとする力強い御答弁をいただきました。京浜臨海部における新たなオープンイノベーションの創出は、これからの横浜経済の持続的な成長に欠かせないものです。研究開発機能のさらなる集積により、様々な企業や多様な人材で溢れる魅力的な産業空間となることを期待します。

 

URL :
TRACKBACK URL :

コメント

  • 最近の投稿
  • 人気の記事
  • Category
  • アーカイブ