横浜市会決算特別委員会の国際局審査にて、横浜における文化芸術を含めた交流相互理解“ウクライナ難民支援について”質疑を行いました。
●神奈川県民ホールで開催をされましたウクライナ国立民族舞踊(ぶよう)団の講演を鑑賞しました。国内31都市を巡るツアーで、笑顔で力強く踊る姿に『平和への思いを深くしました』との感動の声も多く寄せられたとの事です。来日したメンバーの中には、家族が戦禍にある方もおられたとの事。
しかし、舞踊団の皆さんは「芸術の目的は人々を幸せにする事」と語り、今こそ人々を結びつける芸術を!との思いで一致し、来日を決定したそうです。ウクライナ大使夫妻を初め、35か国・地域の大使・大使館関係者の方々も鑑賞されたとの事でありました。伝統文化を通じた平和のメッセージをしっかりと受け止めていくことが必要であると感じました。
横浜市では、ウクライナ交流カフェ「ドゥルーズィ」をはじめとして、様々な支援、交流活動を行っています。ドゥルーズィは、ウクライナ避難民が母国語で情報交換・交流を行う場、また、市民や企業からの支援の申し出とウクライナ避難民をつなぐ場であり、避難民に癒しや安心を感じてもらえるよう、事業を展開しており、避難民同士が互いに励ましあい、また、日本文化にも触れることで、相互理解が深まると考えます。
(1)ウクライナ交流カフェ「ドゥルーズィ」での文化交流について伺う。
《国際政策部長答弁》ドゥルーズィでは、卵の絵付けや人形作りなどウクライナの伝統工芸を通じた文化交流を行っています。ひな祭りや七夕など日本の季節ごとの伝統文化体験や、横浜市出身で外国にルーツを持つ大相撲の荒篤山関にドゥルーズィに訪問していただくなど、交流を深めています。また、企業の方からお誘いいただき、大相撲観戦や田植え、稲刈り体験など、ドゥルーズィの外に出ての文化交流も進めています。
●絵の力、芸術の力で癒される、いわゆるアートセラピーも最近注目されています。さらに、避難民の中には、避難生活が長くなるにつれて、地域住民と交流や、その中で、地域貢献に繋がる事もあると思います。文化芸術による交流や地域貢献も生まれるのではないかと思います。
(2)文化芸術の力による避難民のメンタルケアや地域での交流について伺う。
《国際政策部長答弁》戦禍を逃れてきた避難民の方々の心の傷をいやすためにも、文化芸術の力によるアートセラピーは重要だと考えています。ドゥルーズィでは、生命の木を描くというワークショップを開催しました。参加者からは、自分の生命、自分の気持ち、自然界を絵にすることで、癒しを得ることができたという声がありました。また、自治会町内会での支援が進んでいる地域では、避難民も支援を受けるばかりでなく、感謝の気持ちを表現したいと声があり、町内の集会所で楽器を演奏して、音楽の力を使った交流を深めている地域もあります。
●6月4日まで神奈川県民ホールで行われた「美術ぷらす展」では、芸術家の絵の他に、「地元の子どもたちが描いた絵」と、現在、「横浜に避難して暮らしているウクライナの子どもたちの絵」が展示されており、絵画を通じた平和の願いというメッセージ性があり、見に来た人たちの多くは、平和への願いを強くしたと思います。この絵の力、芸術の力というのは、民族、国境など関係なく、言葉の壁でさえも乗り越える力があります。そこで
(3)ウクライナ避難民支援を通じて感じた文化芸術の力について所感を伺う。
《国際局長答弁》先日のウクライナ国立民族舞踊団の公演を鑑賞する機会をいただきました。戦時下にありながらも舞踏団員一人ひとりが日頃の努力と祖国の文化、風習などに対する愛情、さらにそれを、目を輝かせて鑑賞している避難民の方々のお姿を拝見し、大変感銘を受けました。私自身、昨年度の音祭りに市民として参加する機会をいただき、その時に避難民の方とウクライナの歌を一緒に歌うということがあり、文化芸術の力は本当に交流では大きいなと実感しています。今後もドゥルーズィを中心に、民族、国境を越え交流を促進させてくれるものとして、文化交流、芸術の力をさらに活用していきたいと感じています。
《国際局長答弁》ウクライナからの避難生活も1年半に及び、健康、就労などへの支援ももちろんですが、引き続き文化交流にも力を入れ、避難生活に安らぎが生まれ交流も進むよう、しっかりと支援を行っていきます。また、オデーサ市の歴史地区においては、世界文化遺産に登録されている大聖堂など歴史的建造物のみならず、幼稚園も大きな被害を受けていますので、その復旧の要請がある中、それも進めて行きたいと思います。現地の状況を見極めつつ、現地へのしっかりとした支援も継続していきます。
●ウクライナに限らず、横浜市では、東アジア文化都市友好協力都市協定。日中韓文化都市。横浜市 中国泉州市、韓国の広州広域市と文化交流は継続しています。文化芸術を含めた交流相互理解が深まるものと考えます。ピースメッセンジャー都市であり、国際平和条例を持つ横浜市として、今後も文化芸術の力による自治体交流を深め、又、拡げ、是非、世界平和への貢献に寄与していただくことを願っています。また、ウクライナに限らず、横浜市では、東アジア文化都市友好協力都市協定。日中韓文化都市。横浜市 中国泉州市、韓国の広州広域市と文化交流は継続しています。文化芸術を含めた交相互理解が深まるものと考えます。ピースメッセンジャー都市であり、国際平和条例を持つ横浜市として、今後も文化芸術の力による自治体交流を深め、又拡げ、是非、世界平和への貢献に寄与できる事を願っています。