中央卸売市場本場 仲卸業者等への支援について、経済局決算特別委員会における質疑で取り上げました。
●ハマの食文化の一丁目一番地。中央卸売市場本場は生鮮食料品等を安定的に供給する基幹システムとして市場があります。近年、中央卸売市場を取り巻く環境は、ネット通販の浸透や、産直取引の拡大など、流通経路の多様化等、大きく変わってきています。また、物価高騰による消費者の買い控え等、アフターコロナ期においても、場内事業者にとって厳しい経営環境が続いています。横浜市においては、これまで様々な視点から仲卸業者等を支援しています。
(1)令和4年度仲卸業者等への支援の実績について、伺う。
【市場担当理事答弁】冷蔵・冷凍設備や会計処理システムの導入等、品質管理の向上や事業効率化などに資する設備投資等に対して、合計で11件、約1,400万円の補助を行いました。また、仲卸業者等と飲食店やホテルなどをマッチングする「見本市・商談会」を初めて開催し、73社が来場、22件が商談に進み、うち10件が成約に至りました。このほか、インボイス制度などをテーマとした研修会や経営支援アドバイザー派遣を実施しました。
●厳しい経営環境は今後も継続し、残念ながら長期化していく可能性もあると考えます。こうした状況においては、食材を小分けにして販売する「分荷」や、食材を目利きする「評価機能」等、市場の重要な役割を担う仲卸業者等をしっかりと支えることが必要です。そしてそのためには、仲卸業者等の経営の実態を把握した上での課題を認識する必要があります。
(2)仲卸業者等への支援を進める中での課題について伺う。
【市場担当理事答弁】令和4年度の仲卸業者全体に占める赤字企業の割合が約6割を超えるなど、電気代の高騰や物価高による消費の低迷等の影響もあり、経営状況の悪化が見られます。一方で、マレーシアへのイチゴ輸出を開始したり、ECサイトを利用して販路拡大を目指すなど、新しい分野に挑戦する仲卸業者も生まれています。そのため、個々の事業者のニーズや置かれている状況に応じた支援を行うことが課題であると考えています。
●横浜市中央卸売市場は、「食材見本市・商談会」を開催。先日、足を運び視察しました。主に横浜市場を利用していない飲食店・ホテル等の食材仕入れ担当者を対象に、水産物部仲卸業者や関連事業者が厳選した上質な食材を提案。その折にも「コロナ禍が終わった後も、売上が戻らない」「新しい販売先を開拓したいが、人材不足でそこまで手が回らない」といった、切実な声をお聞きしました。仲卸業者等は、そのほとんどが小規模事業者であり、今後は、現在の課題をよく踏まえて、事業者に寄り添った支援を展開することが重要であると考えます。
(3)課題を踏まえた仲卸業者等支援の今後の方向性について伺う。
【市場担当理事答弁】青果、水産の両仲卸組合などと連携して、事業者一社一社の経営・財務状況を丁寧に聞き取り、必要に応じて中小企業診断士等の専門家を派遣するなど、事業の継続に向けたきめ細かな経営診断とアドバイスを行います。また、海外への販路拡大のための輸出費用助成や、デジタル化・脱炭素化のための設備投資助成などにより仲卸業者等の皆様の成長と競争力強化を促進するなど、経営安定と事業拡大の両面から支援してまいります。
●市場が位置する場所は、マスタープランにおいては、『食をテーマとした賑わいゾーン』に位置づけられ、グリーンエキスポ2027では、地産地消、Farm&Food Village等も見受けられます。GX分野としての食と農の推進等、気運を取らえて前に進める事。厳しい経営環境にある仲卸業者等に対して、より効果的な支援に取り組み、市場の活性化につなげていく事を要望しました。