65誌以上の一人暮らしの方は急増してます。1999年には約162万人でしたが、2020年には約672万人で、この30年で4倍に増加しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、40年に約896万人に達し、高齢者男性五人に一人、女性四人に一人が独居する状況ないなるとしています。
今後男女の未婚者も多い傾向から、老後を家族に頼る事が一層難しくなる事が予想されています。公明党としても課題認識を深くして、どの様に克服していくか議論の整理をしています。今回の横浜市会決算特別委員会(総合審査/行田朝仁議員)においても介護に関する質問を取り上げています。(以下)
●2025年には、本市の高齢化率は26%となり、更に進行することが予測される中、判断能力の低下等による問題も一層顕在化します。ご高齢の親が、急に認知症となった時には、親子と言え、ご本人に代わって銀行等で年金をおろせなくなってしまい、また、通帳や暗証番号の管理ができなくなってしまう等、深刻な問題となります。そのような場合、成年後見制度の活用が重要であり、後見等の申し立ての動機としても預貯金等の項目が多くなっていると聞いています。今後ますます、その担い手の育成が必要になるものと考えます。
(1)本市の市民後見人養成の取組状況について、健康福祉局長に伺う。
【健康福祉局長答弁】本市では、平成24年度から市民後見人養成課程を開始しております。これまでに延べ178名の方が受講しております。今年4月時点では、活動できる方を登録する「市民後見人バンク」の登録者は102名となり、家庭裁判所から94件の選任を受けております。成年後見制度を必要とする方も増えておりまして、担い手育成の取組を一層進めていきたいと考えております。
私も、成年後見制度の利用を必要とされる方は多いと感じていますが、実際の利用者が少ないことが課題であると考えます。そこで、
(2)成年後見制度の利用を促進するための取組について、健康福祉局長に伺う。
【健康福祉局長答弁】成年後見制度の推進を担う中核機関といたしまして、「よこはま成年後見推進センター」を令和2年度に設置しております。高齢の御家族がいらっしゃる方向けの講習会の実施や、市内金融機関等、約860か所へのリーフレット配布など、広報啓発の取組を進めております。また、地域ケアプラザ等の身近な相談窓口で適切に相談をお受けできるよう、職員への専門研修の充実等に取り組んでおります。
●制度の円滑な利用を期待しています。尊厳を持った生活のためには、どなたでも、急病等で、自分の意思を伝えることが困難になる可能性がある、と考えておくことが大切です。特に、身寄りのない高齢者への支援については、先の一般質問で、我が党が取り上げた通り、これまで家族が担ってきた様々な支援や手続きを行う、担い手の問題が課題として指摘されています。現在、医療や介護の現場では、ケアマネや市職員等が本来の職務範囲を超えた課題への対応を、いわばシャドーワークとして担うことが増え、大きな負担となっています。こうした事態に備え、事前の契約で対応する民間事業者もありますが、まとまった金額が必要となり、利用できる方は収入や資産のある方に限られます。しかし、身寄りのない高齢者の支援は、経済状況に関わらずどなたにも必要となるものと思います。
この8月、私の地元青葉区のすすき野団地で、身寄りのない方を支援する仕組みはどうあるべきか、といったことをテーマに、民間事業者が中心となって実証実験が始まりました。様々な制度があると思いますが、適切なタイミングで制度につながることができないと、事態が深刻化し、ご本人も周囲の支援者も大変なご苦労をされることになってしまいます。
(3)身寄りのない高齢者を支援する仕組みが必要と考えますが市長の見解を伺う。
【市長答弁】今後、御家族の支援を受けられない「身寄りのない高齢者」が増えてくると想定されます。本市の権利擁護に関する取組においても、将来の財産管理等の相談が増加しています。身近な相談窓口の一層の周知に取り組むとともに、適切な相談対応のできる人材を育成いたします。また、身元保証などを含めた様々な課題への支援については、市内で行われる実証実験や国の動向を踏まえ、検討を進めていきます。
●支援の現場で働く皆さんの大変な思いを丁寧にくみ取りながら、検討を進めていただくことを要望します。検討を進めるにあたり、課題になってくるのが、人材育成などの体制の整備です。こうした身寄りのない高齢者の方々は、地域住民の方や、ケアマネジャーなどの介護専門職の方によって支えられているほか、各区の福祉保健センターからも支援されているところかと思いますが、既存の制度では対応困難なこともある一方で、市民の方一人ひとりへのきめ細やかな対応が求められるなど、職員の負担は増加していると考えます。
(4)区福祉保健センターの体制の充実に向けて一層取り組むべきと考えますが、市長に考えを伺う。
【市長答弁】福祉保健センターについては、これまでも課題に対応した体制の強化を図ってきたところです。特に社会福祉職・保健師などについては、職員の大学訪問等による人材の確保や、キャリア形成の支援などを行ってきています。今後も、業務の効率化や人材育成の取組を強化し、多様化そして複雑化するニーズに応じた体制としていくことで、市民生活のセーフティネットとしての役割を果たしてまいります。
◎政府では、「認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議」を開催、身寄りのない高齢者実態に向けて、関係府省で検討会を設置する方針を示しています。分野横断の問題解決へ政治がリードする必要もあります。また、地域力を生かす視点も重要です。引き続きこの課題に関して注力して参ります。