防災・減災を社会の主流に。政治の主流に。そして命を守る防災・減災について、命を守る文化に迄引き上げる。WITHコロナで一人ひとりがマスクをし、蜜を避ける等の命を守る取り組みを続けて参りました。いつ起こるかわからない災害。やはりWITH防災・減災の取り組みが必要です。公明党予算代表質疑にて質問しました。
●高齢化の進展とともに未婚率が上昇したことにより、高齢者の単身世帯、いわゆる「おひとりさま世帯」が増えており、地域で身寄りのない方への体制づくりは急務と考えます。中でも、高齢や障害、病気により、災害時に自力では避難することが難しい災害時要援護者で身寄りのない方を災害時にどのように支援するかは課題です。本市ではこれまで、地域住民により平時から見守り活動が進められ、行政としても地域と協定を締結して災害時要援護者名簿を提供するなど取り組んできました。
一方、昨今の大規模風水害による高齢者・障害者の被害を受けて、令和3年5月に災害対策基本法が改正され、災害時要援護者ごとに支援する人や避難先等の情報を記載した「個別避難計画」を作成することが、市町村の努力義務となりました。本市でも一部の地区でモデル事業に取り組んでいると聞きますが、必要な取組であると考えます。今後、単身世帯の高齢者が増えていくことなど、社会情勢の変化に合わせた災害時要援護者への対応が必要と考えます。
【質問】災害時要援護者支援事業の現状認識と今後の進め方について、市長に伺う。
《市長答弁》災害時要援護者支援事業の現状認識と今後の進め方について、地域の皆様の御尽力により、要援護者の見守り活動が各地区で進んでいます。一方、御自宅の備蓄や避難経路の確保など、一人ひとりの防災・減災対策が充分に浸透していない状況も見受けられます。引き続き、防災意識の向上や地域の見守り活動支援に取り組むとともに、浸水想定区域等にお住まいの方の個別避難計画作成を進め、要援護者支援の向上に取り組んでいきます。
●これまでの家族関係や地域関係が変わり、単身世帯が増えていく中で、そうした方々が災害時要援護者になったときにどのように対応していくのかは大きな課題です。引き続き、地域での災害時要援護者支援の取組が進める事が重要です。
●治水対策については、近年、毎年のように大雨による水災害が発生し、全国各地で多大な被害をもたらしています。昨年9月には中心気圧910ヘクトパスカルという想像を絶する過去最強クラスの勢力をもった「スーパー台風」が発生し九州に上陸しましたが、気候変動による影響がすでに現実になっていることに改めて驚かされるとともに、いつ横浜でもこれまでに経験したことのない気候変動に見舞われるか、危機感をますます強くしたところです。このような中、横浜市では、治水対策の基盤である河川改修事業について、これまでの50mm対応から、治水対策のランクを上げて、新たに時間降雨量60㎜対応の治水対策に取り組む方針が打ち出されました。
公明党は「防災減災を政治・社会の主流へ」を掲げており、中でも流域治水対策の基盤となる河川整備については、その強化推進を働きかけてきましたので、このたび横浜市が河川の治水安全度の向上に踏み出したことを大きく評価しています。
【質問】治水安全度の向上に向け、時間降雨量60mm対応の河川整備に取り組む考え方について、市長に伺う。
《市長答弁》治水安全度の向上に向け、時間降雨量60㎜対応の河川整備に取り組む考え方について、近年地球温暖化に伴う浸水リスクが急激に高まっていることから、目標とする整備水準を、時間降雨量50ミリから60ミリに引き上げる必要があると判断しました。市民の皆様を災害から守るため、治水対策の着実な推進に取り組んでまいります。
●治水安全度を高めていくためには、新たな河川整備だけでなく、河(か)道(どう)浚渫(しゅんせつ)などにより、整備済みの河川においても河川の流下能力を維持していくことも重要な取組です。横浜市では、平成30年度に創設された河道等安全確保対策事業により、河川に堆積した土砂の浚渫(しゅんせつ)に着手しており、浚渫(しゅんせつ)が必要な河川延長14㎞のうち約8.5kmの対策が完了していると聞いています。公明党としては、河道浚渫は速効性のある治水対策として緊急に実施すべきと考えており、 ペースを落とさず、早期完了を目指すよう強く働きかけてきたところです。このたびの令和5年度予算では、しっかり事業費を確保して取り組む姿勢を示したことを評価するとともに、中期計画に位置付けられた残り約5.5kmを、令和7年度までに確実に完了させるべきと考えます。
【質問】河(か)道(どう)浚渫(しゅんせつ)を緊急的に進める決意について、市長に伺う。
《市長答弁》河道浚渫を緊急的に進める決意について、激甚化・頻発化する大雨に対して、河川の氾濫を防ぐためには、土砂堆積で流下能力が低下している河川について、早急に能力を回復し、災害リスクを低下させることが必要です。このため、対策が必要な14 キロメートルについて、「河道等安全確保緊急対策事業」に精力的に取り組み、令和7年度までに浚渫を完了させます。
●今後も、市民の皆さまが安心して横浜に住んでもらえるよう、流域治水の取り組みを力強く推進していくことを要望しました。
次に河川の流下能力の維持の重要性について述べさせていただきましたが、浚渫の実施にあたっては、どこに土砂がどの程度堆積しているかを把握することが大切です。現在、横浜市が管理する河川は総延長約86kmにのぼり、それを道路局と土木事務所の職員がチームを組んで徒歩と目視で土砂の堆積状況を調査していると聞いております。このようなアナログで膨大な業務については、デジタル技術を活用するなどによって効率化を求めていかなければなりません。昨年6月に開始した横浜市の行政課題と民間企業のデジタル技術をマッチングする創発・共創の取組「YOKOHAMA Hack!」は、民間企業と所管部署、デジタル統括本部が連携し、横浜市の多岐にわたる現場ならではのリアルな課題を解決しようとするものです。現在「YOKOHAMA Hack!」で取り組んでいる「河川等の土砂堆積量の把握と分析」は、調査に係る業務の省力化と精度向上を実現するために実証実験に向けた準備を進めていると伺っています。この「YOKOHAMA Hack!」において、多くの民間企業の優れたシーズや知恵を最大限に引き出し、取り入れることが重要と考えます。
【質問】「YOKOHAMA Hack!」に参加する民間企業の知恵を引き出す工夫は何か、市長に伺う。
《市長答弁》民間企業の知恵を引き出す工夫について、新しい技術を活用して、今までにないソリューションを生み出すためには、複数の企業と現場職員が参加して、議論、提案を重ねるワーキングの場を設けております。例えば、河川の土砂堆積のケースでは、13社とワーキングを重ねた結果、航空写真による解析技術など2つのソリューションについて、来年度実証実験を行って参ります。
●引き続き命を守る防災・減災についての取り組みについて全力で取り組んでいきます。