横浜市会令和5年第一回定例会本会議にて、第4期横浜市教育振興基本計画の策定に際しての議案関連質疑。『学校における医療的ケア』について斉藤伸一議員が質疑に立ちました。(以下要旨)
「教育振興基本計画」の学校における医療的ケアの取組について、お伺いします。学校において特別な支援が必要な子どもは増加しており、児童生徒の障害は、重度化・重複(ちょうふく)化・多様化しています。そうした状況を踏まえ、特に特別支援教育においては、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに寄り添い、実態に応じた指導や支援を行うことが求められております。そのためにも、教育分野だけで取り組むのではなく、福祉・医療の関係機関等と連携を図りながら、支援体制を拡充していくことが必要です。
本計画の特別支援教育の推進においても、特別支援学校に在籍する医療的ケアが必要な児童生徒の通学支援の車両台数や、学校看護師の配置人数の拡充が掲げられています。私は、このことについて高く評価しております。その一方で、昨年の予算第一特別委員会で質問いたしましたが、看護師が配置されていない小・中・義務教育学校や知的障害特別支援学校でも、医療的ケア児が安心して通学をして、充実した学校生活を送れるようにすることも、大変重要なことであります。
●最近は、地域の小・中学校に入学する医療的ケア児も増えています。小・中学校等での医療的ケアの取組では、医療的ケアの提供や、児童生徒自身が一人でケアを行えるようになることを目指した自立支援を行っていると聞いております。そこで、(1)小中学校等における医療的ケアの自立支援に向けた取組の状況について、教育長にお伺い致します。
【教育長答弁】小中学校等における医療的ケアの自立支援に向けた取組の状況について、令和3年度、看護師の技術指導を受け、痰の吸引や導尿などの医療的ケアを一人でできるようになった児童生徒は、利用者17人のうち6人おり、現在は教職員の声掛けや見守りを受け、自分でケアを行っています。各学校では、児童生徒が、今後も自分でケアをしながら生きていく力を育てるため、保護者や看護師と協力し、医療的ケアを教育活動の一環として実施しています。
●医療的ケアを必要とする児童生徒や保護者の中には、ケアがあることで特別視をされたくないと思う方もおりますので、自分一人でケアができるようになり、自らの体調をコントロールしながら、地域の学校でともに学べるようになるための支援が重要です。しかし、医療的ケアについては、一人ひとり病気の状況が違い、導尿や痰(たん)の吸引などのケアだけではなく、胃ろうからの栄養剤の注入や特殊な医療機器を使用するなど、医療的ケアの幅が広く、必ずしも児童生徒自身がケアを行うことができない場合も想定されます。そこで、(2)ケアを自分で行うことが難しい児童生徒への支援について、教育長にお伺い致します。
【教育長答弁】ケアを自分で行うことが難しい児童生徒への支援について、肢体不自由や知的障害があり、自分で医療的ケアを行うことが難しい場合や、医療機材の扱いが難しい場合などは、児童生徒一人ひとりの病気や障害の状態を丁寧に把握し、看護師によるケアを継続してまいります。その場合には、将来を見据え、医療的ケア児・者等コーディネーターや区役所、医療機関と連携し、長期的な支援方針を検討してまいります。
●日常的に医療的ケアが必要な児童生徒や保護者の皆様は、学校生活での様々な心配や不安を抱えていることと思います。引き続き、学校において医療的ケアを安全に実施していただき、児童生徒が多様な学校活動に参加できるよう、教育委員会、学校、福祉や医療の関係機関がしっかりと連携を図り、取り組んでいただくことを要望します。