サーキュラーエコノミー(循環経済)

サーキュラーエコノミー(循環経済)とは大量生産・大量消費型の経済社会活動は、大量廃棄型の社会を形成し、健全な物質循環を阻害するほか、気候変動問題、天然資源の枯渇、大規模な資源採取による生物多様性の破壊など様々な環境問題にも密接に関係しています。資源・エネルギーや食糧需要の増大や廃棄物発生量の増加が世界全体で深刻化しており、一方通行型の経済社会活動から、持続可能な形で資源を利用する「循環経済」への移行を目指すことが世界の潮流となっています。

循環経済(サーキュラーエコノミー)とは、従来の 3R の取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すものです。また、循環経済への移行は、企業の事業活動の持続可能性を高めるため、ポストコロナ時代における新たな競争力の源泉となる可能性を秘めており、現に新たなビジネスモデルの台頭が国内外で進んでいます。

横浜市では、2021(令和3)年6月に議員提案によって「横浜市脱炭素社会の形成推進に関する条例」が制定されました。この条例は、地球温暖化対策の推進並びに市内経済の循環及び持続可能な発展を図り、脱炭素社会の形成の推進を目的としています。

新たな「横浜市中期計画 2022~2025」では、基本姿勢「脱炭素社会実現の視点」として、脱炭素社会への移行を見据え、3R+Renewable・食品ロス削減の取組をはじめとした資源循環の観点に加え、地域経済の活性化、地域課題の解決にもつながるサーキュラーエコノミー(循環経済)の構築を進めるとされています。

また、「横浜市地球温暖化対策実行計画」は、本市が温室効果ガスの排出の削減等を行うための施策に関する事項を定めるもので、2011(平成 23)年3月に策定され、これまで 2014(平成26)年3月及び 2018(平成 30)年 10 月に改定が行われました。その後の国の 2050 年カーボンニュートラル宣言や 2030 年度の温室効果ガス削減目標の引き上げ、また「横浜市脱炭素社会の形成の推進に関する条例」の趣旨等を踏まえ、横浜市の温暖化対策の更なる強化を図るため、現在改定が進められています。

改定素案では、 2030 年度をターゲットとし、脱炭素や気候変動への適応など、幅広い分野の対策をとりまとめた7つの基本方針を定めるとともに、2050 年の脱炭素社会の実現を見据えながら、特に 2030 年度温室効果ガス 50%削減(2013 年度比)に向けて、市内経済の循環・持続可能な発展や市民・事業者の行動変容に資する取組を選び、再構築した取組を「重点取組」として設定しています。

他にも、横浜市では、市内の中小企業が中心となり、NPO 法人や大学等と連携し、社会課題をビジネスの手法で解決する「リビングラボ」の取組が広がっており、各リビングラボの活動の指針として提唱しているのが「サーキュラーエコノミーplus」です。

「サーキュラーエコノミーplus」とは、SDGs の 17 の目標すべてを地域経済の中でバランス良く達成するために、横浜型リビングラボを運営する民間団体が集まり対話を重ねることで生み出されたビジョンです。一般的なサーキュラーエコノミーが、資源・製品のリサイクルを中心に展開しているのに対して、このビジョンでは、資源や製品に限らず、「ひと」と「まち」の持続可能性とエンパワーメントにも着目し、それらを総合的にプロモーションするための社会経済モデルを構築し、「誰一人として取り残さない持続可能な未来」を目指すとしています。(市会ジャーナル228)

 

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