横浜市中期計画の策定に向けた基本計画特別委員会における公明党の質疑には、代表して行田朝仁議員が11項目37問を行いました。
基本戦略「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」についての質疑。(以下要旨)
●基本戦略について伺いますが、「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」とされています。これまでの中期計画にはなかったもので、今回の特徴の一つでもあり、共感していますし、中期計画の核として大いに期待しています。我が党も、これまで半世紀以上に渡り、「子育て支援」に尽力してきたと自負しています。「教科書の無償化」、「出産育児一時金」、「幼児教育・保育無償化」、「高校授業料実質無料化」など、様々な子育て支援策の立案をリードして、実現させてきました。
最近では、先月公表した「子育て応援トータルプラン」において、結婚・妊娠・出産・就学など、ライフステージや子どもの年齢に応じた、切れ目のない支援策を充実させていくことを打ち出しました。本市の来年度予算の大きな力になると思います。そこで、改めて確認させていただきますが、
【質問】基本戦略を「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」とした考え方について、市長に伺います。
【市長答弁】私自身18区を訪問する中で地域の方々から直接伺った子育てニーズの高さを実感しました。そして本市が本格的な人口減少社会の到来をついに迎えたという事情もあります。私は「子育て支援」を一丁目一番地の課題として、「横浜で子育てしたい」と思っていただけるようなまちにしていきたいと考えています。ただ色々な調査を行っても、横浜における子育て世代の満足度というものは必ずしも十分ではない、そういったデータもありますので、是非「横浜で子育てをしていきたい」と思っていただけるようなまちにしていきたいと思っております。また、家庭だけではなく、行政、地域も含めて、みんなで子どもを育てていく、お子さんを育てていく、そういったまちにしたいという思いを込めて、「共に育む」といたしました。
●基本戦略は5つのテーマを掲げており、子育て世代への直接支援、コミュニティ・生活環境づくり、生産年齢人口流入による経済活性化、まちの魅力・ブランド力向上、都市の持続可能性で構成されています。
【質問】基本戦略に5つのテーマを掲げた狙いについて、市長に伺います。
【市長答弁】「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち」として横浜が選ばれるためには、まちの魅力を総合的に高めていく必要がございます。そこで、5つのテーマを掲げまして、直接的な支援のみならず、地域コミュニティや経済の活性化、そしてまちづくり、そういったあらゆる分野の施策を連携させて、横浜の魅力を総合的に高めていくことを目指しております。
●1つ目のテーマ「子育て世代への直接支援」について、伺います。子育て支援については、これまで議会でも幾度となく議論を重ねてきました。中期計画に掲げた「小児医療費助成」と「中学校給食」は、今回の計画の大きな柱だと考えています。
小児医療費助成事業について
最初に、小児医療費助成事業についてですが、公明党市議団が1992年に市で初めて乳幼児医療費の無料化を提案し、95年には0歳児の医療費助成制度を創設してから、時代や市長が代わっても一貫して制度拡充に取り組んできた事業です。前市長時代の2019年度には助成対象を中学3年生まで拡充し、21年度に1、2歳児の所得制限を撤廃。山中市長におかれましても、23年度中に中学3年生までの所得制限撤廃、自己負担金廃止として頂いていますが、事業の制度拡充の開始時期について、中期計画原案では「令和5年度内」とされているものの、早期実現に向けた市民の期待は高まっているものと思われます。実施に向けては、まずはシステム改修が前提になると思いますが、
【質問】システム改修以外で制度拡充の開始時期の判断に影響を与える要素はどのようなものがあるのか、健康福祉局長に伺います。
【局長答弁】制度拡充により新たに対象となる方、約13万人への御案内や申請手続きに要する期間、加えて、毎年行っている医療証の一斉更新等を考慮しなければならないと考えております。
●事務的な要素はあると思いますが、子育て世代の多くの皆様が早期の制度拡充を待ち望んでいます。
【質問】小児医療費助成制度の拡充について、可能な限り早期に実現していただきたいと考えますが、市長の見解を伺います。
【市長答弁】制度の拡充を打ち出してからも、市民の皆様から待ち望む声を多くいただいております。今後のシステム改修の作業スケジュールに加えまして、事務的要素も考慮する必要がありますが、新たに対象となられる方々が混乱なく確実に制度拡充できるように検討いたします。引き続き、議会の皆様と丁寧に議論しながら進めてまいりたいと思います。
●事務的な効率化の観点も踏まえて、早期に、着実に開始できるよう、引き続き精力的に準備を進めるようお願いしますとともに、今後さらに18歳までの対象年齢引き上げに全力で取り組みたいと思っていますのでよろしくお願いします。
●次に中学校給食についてですが、これも我が党として長年尽力してきました。学校の敷地、整備コスト、配膳時間等々、現実を直視し、2016年度から始まった「ハマ弁」を進化させて、前市長時代の昨年度から学校給食法に基づく「給食」に位置付けられました。中学校給食実現を待ちわびた多くの生徒、保護者の皆様からお喜びの声を頂いています。そして、山中市長が、中期計画において、デリバリー型給食を「全員に供給できる体制を確保する」という明確な指標を設定されたことは、我が党の主張の延長線上となる、大きな前進と受けとめています。一部からは、実現可能性をまったく考慮せず、「デリバリー型給食をやめるべき」との主張も聞こえてきますが、本市の実情を踏まえると、「デリバリー型給食をやめることは、すなわち全員喫食を諦める」ことです。そしてせっかくスタートした給食をやめることになります。私はそれが市民の大多数の声だとは思えません。
山中市長には、「すべての生徒に栄養バランスのとれた給食を提供する」という本来の目的を見失うことなく、デリバリー型給食の更なる発展に取り組んでいただきたいと思います。もちろん、様々なご意見もあるところですし、これからも議論すべきことは議論して、一歩ずつ、中学校給食をより良いものにしていきたいと考えます。
【質問】全ての生徒が満足できる中学校給食の実現に向けた意気込みを、市長に伺います。
【市長答弁】栄養バランスの整った給食を全ての生徒に届けること、これが市民の皆様からの長年の要請であり、これに応えることが市の責務だという思いであります。本市のデリバリー給食は、成長期の子どもたちが、栄養をしっかりとれることを一番大事にしながら、食を通じて、いろんな世界に触れて学んでもらえるということを大切にしております。
国産、地場産の食材、また旬の食材を生かした季節を感じられる献立、生徒考案のメニュー、その他行事食、まさに食育を実践するにふさわしい、そういったものが本市のデリバリー給食であります。もちろん、委員がおっしゃられるように実現可能性を踏まえなければいけません。実現可能性を踏まえた上で公的な学校、パブリックですので、同じものを提供する。違うものを届ける、ある中学校はこういう給食、別の中学校は別の給食、ということはあり得ないと思います。同じものを届ける、そして同じものを早く届ける、同時期に開始する、そしてこれを最も早く届ける、こういったことで市の責務を果たせると考えております。全ての生徒が満足できる「新しい横浜の中学校給食」の実現に向けて、全力を挙げて着実に進めてまいります。