防火防災の啓発活動について、決算第二特別委員会にて質疑しました。
日常生活に潜む火災のほか、地震や台風、大雨など近年激甚化する自然災害の発生時には、ご自身の命はご自身で守っていただくことが重要です。こうした自助の重要性については、防災減災を政治の主流に掲げている公明党として、様々な機会でお伝えしてきたところです。消防局では、昭和44年に創設した家庭防災員制度や消防職員が自治会・町内会など、地域に出かけて行う訓練会を通じて、初期消火方法、ケガや急病時の救急対応、地震や風水害時の行動など、命を守るうえで必要となる知識や技術を伝えています。
【質問】過去3か年の家庭防災員研修及び防災訓練会の実施状況について伺う。
【予防部長答弁】家庭防災員研修は、・令和元年度は、415回、2,973人・2年度は、411回、2,285人・3年度は、220回、1,857人の方々に受講いただきました。また、自治会町内会を対象とした防災訓練は、・元年度は、2,223回、12万3,990人・2年度は、705回、4万7,167人・3年度は、696回、3万9,146人の方々に参加をいただきました。
●災害経験のある消防職員から直接伝えることで、市民はより危機感をもって学ぶことができると考えます。その一方、近年は一人世帯の増加や女性の社会進出が進むとともに、自治会・町内会の加入率が低下するなど、地域を取り巻く環境は大きく変化しています。こうした状況のなか、これまで実施してきた啓発手法には課題もあると考えます。
【質問】防火防災啓発における課題について伺う。
【消防局長答弁】 高齢化等の社会構造の変化に加え、コロナ禍による影響から、家庭防災員研修や防災訓練等に参加される方が、年々減少し、また、固定化する傾向が見られます。また、防火防災に関心を持たれた方が、一般に学べ
る機会は、地域の防災訓練などに限られており、身近なところで学びの環境が十分に整っていないといった課題が挙げられます。
●令和3年に、「横浜市民の防災・減災の意識に関するアンケート」が行われましたが、、そのなかで防災の訓練や研修に参加していない方が約半数に上るという結果があります。そして、参加していない理由として、「いつ、どこで開催しているかわからない」、「時間がないから」といったことが上位にあがっています。こうした結果から、時間や場所にとらわれず防災を学べるような環境が必要であると考えます。9月12日に行われた市民・文化観光・消防委員会では、ウェブサイト上で防災を学べる「(仮称)よこはま防災パーク」を創設するとの報告がありました。
【質問】「(仮称)よこはま防災パーク」の概要について伺う。
【消防局長答弁】いつでも、どこでも、誰でも、気軽に防火防災を学ぶことができるオンライン学習システムで、「一般」、「こども」、「地域防災」、「事業所」などのコースから、希望のコースを選択していただき、画面の視聴や確認テストなどにより学んでいただくことを考えております。さらに、受講後、市民防災センターや消防署で実施する実技研修を予約できる機能や、修了証を発行する機能を設ける予定としております。
【質問】今後の防火防災啓発の進め方について伺う。
【消防局長答弁】自治会等で行われる防災訓練は、地域で顔の見える関係が構築され、また実際に様々な体験をしていただくことで、得られる効果は大きいことから、今後も地域のご要望に応じて、積極的に実施してまいります。一方、家庭防災員研修は、受講者の推薦事務を自治会町内会にご依頼し、ご負担をおかけしていることもありますので、地域の皆様のご意見を伺いながら、今後のあり方について、検討してまいります。
●「(仮称)よこはま防災パークの創設」に伴い、今後の防火防災啓発がより効果的なものとなることを期待し、そして、より多くの方に受講していただくためには、特に、子どもの関心を引くような工夫が必要とも考えます。市民防災センターで開催をされた「未来を守れ IN BOSEN」には、大変多くのお子さんが親御さんと共に参加され、大盛況でした。例えば、本市は株式会社ポケモンと包括協定を結び、横浜の夏の名物イベントとなった「ピカチュウ大量発生チュウ!」をはじめ、まちの賑わいづくりに向けて、ポケモンと連携したイベント等を実施してきました。残念ながら、包括協定は終了しましたが、そうした民間企業とのつながりも活かしてはどうかとも考える。
【質問】「(仮称)よこはま防災パーク」の創設にあたっては、企業等との連携により子どもを引き付けることが重要と考えますが、副市長の見解を伺う。
【副市長答弁】自助の裾野を広げていくためには、お子さんたちが防災を学ぶ機会を増やしていくということが重要だと思っておりますし、そのためには、先生おっしゃったように子どもの興味や心を引く仕掛けというのが必要だと思っております。この分野は、幸いにして、アイデアや知見をお持ちの企業が多数ありますし、公民連携によって、多くの方に関心を寄せていただいた取組も過去もございます。そうした様々な企業との対話や共創を通じまして、名称のとおりですね、例えば、「よこはま防災パーク」の創設にあたっても、子どもたちが公園で遊ぶような感覚で、防災を学んでいただけるように今後も引き続き取り組んでまいります。
●大規模災害時には消防隊や救助隊がすぐに現場に駆け付けられるとは限りません。370万人を超える市民一人ひとりが自助の意識を持ち、日頃から具体的な備えを進め、あらゆる視点から取組を進めていくことが重要です。