決算第二特別委員会、消防局審査において消防団活動の充実について質疑を行いました。
消防団は、地域防災の要として市民の皆様から厚い信頼を得ています。これは、消防団員の方々が、地域を守るという強い意志と所属する消防団活動への限りない情熱、そして、様々な災害などでの献身的な活動の賜物であると思っています。私も神奈川消防団に所属しています。
近年は、気候変動等もあり、国内各地で甚大な被害をもたらす災害が頻発しています。また、今後発生が危惧されている大規模地震への対応を強化するためにも、消防団の充実強化は非常に重要な施策の一つです。全国的には、団員の減少は憂慮すべき危機的な状況となっており、令和3年4月1日現在で、前年に比べ約13,000人の消防団員が減少しているとのことです。幸いなことに本市の消防団の充足率は非常に高く、政令市で一番高い充足率を維持しているとの事です。
【質問】消防団員の確保対策の取組について伺う。
【副局長答弁】各消防団員が、自治会・町内会など地域コミュニティーの中で新入団員を確保いただくことを基本とするほか、イベント等のあらゆる機会を通じたPRや、ツイッターによる情報発信など、消防団、消防署、消防局が一丸となって団員確保に努めています。また、本市消防団の年齢構成の状況を踏まえ、特に、若年層をターゲットとした広報を重点的に推進しています。
●横浜市では、昨年4月から、消防団員の報酬額が引上げられました。
【質問】報酬額を引上げた効果について、消防局長に伺う。
【消防局長答弁】報酬額の引上げは、消防団員の日頃の御労苦に報いるとともに、安定的に団員を確保することなどを目的として実施をしたもので、入団された方からは、「報酬が多いことに魅力を感じて入団した」というお声も
頂いております。この報酬額を引上げたことによって高い充足率を維持している要因のひとつとなっているというふうに考えています。
●本市では、令和2年1月からダイヤモンドプリンセス号への事案を皮切りに対応が始まって3年目を迎えます。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出(はっしゅつ)されるたびに、消防団が行う防災指導や訓練の一部が中止または延期されるなど、消防団活動が制限されてきました。
【質問】過去3か年における消防団の活動実績の推移について伺う。
【副局長答弁】 消防団員が災害活動や訓練などで活動した人数ですが、令和元年度は167,390人、2年度は101,607人、3年度は124,108人で、3か年の合計は393,105人となっています。これは、コロナ禍以前の平成28年から30年の過去3か年間と比べて、約22パーセント減少しています。
●今年の夏は、コロナと猛暑の影響が重なり、全国で救急隊の出場件数や搬送困難事案が急増するなど、救急体制のひっ迫が顕著となりました。本市においてもこのような事態を何とか改善すべく、市民に救急車の適正利用等を呼びかけるため、ツイッターや消防車等により広報を行っていましたが、消防団に対しても広報に関する協力依頼がありました。これまで、消防局からこのような依頼を受けたという記憶はなく、非常時であることを認識した次第です。今更申し上げるまでもなく、こうした相互の連携は、頻発する水害、そしていつ起こるかもしれない大地震発生時に迅速かつ適切に対応するためにも大変重要で、消防団と消防署は常に良好な関係を構築しておく必要があります。
【質問】消防署と消防団の連携を更に強化させるべきと考えますが、消防局長の見解を伺う。
【消防局長答弁】各種災害への対応、特に大規模災害時には、公設消防だけでは到底人手が足りず、消防団の活動が大変重要となります。そのため、消防職員と消防団員が、それぞれお互いの役割や装備などについて改めて理解を深めるとともに、消防団と消防署で実践的な合同訓練を積極的に実施するなど、相互の連携強化に取り組んでまいります。
●消防団は、「自らの地域は自らで守る」という郷土(きょうど)愛護(あいご)の精神に基づき、消防・防災活動を行っていただいており、共助と公助の双方の意味合いを持つ組織で、地域の安全の確保のために果たす役目は極めて大きい存在となっています。実際、東日本大震災をはじめ、全国各地で地震や風水害等の大規模災害が発生するたびに、多くの消防団員が出動しており、災害防御活動や住民の避難支援、被災者の救出などの活動を行っています。
【質問】大規模災害時における本市消防団に寄せる期待について、副市長に伺う。
【副市長答弁】大規模災害発生時は、市民一人ひとりの自助や、地域で助け合う共助、そして公助の総力を結集して対応する必要がございます。その中で消防団は、地域防災の要としてお住まいの地域を熟知されており、住民の
皆様からも高い信頼が寄せられていると考えております。こうしたことから、火災における消火や人命救助活動のほか、住民の避難誘導など、まさに市民の皆様の命や財産を守る上で重要な役割を期待しているところでございます。
●消防局には、消防団組織の更なる強化に繋がるような取組の推進を要望しました。