妊娠・出産にかかる経済的負担を軽減するため、公明党が実現した「出産育児一時金」。1994年に創設されて以来、支給額は30万円、35万円などと徐々に上がり、2009年からは42万円にアップ。病院での支払いも窓口で支給額を超えた費用だけを払えばよい制度に改善されました。さらに公明党は、分娩・入院費、定期健診などを含めた総額が約50万円にも上っている実態を踏まえ、出産育児一時金を50万円まで引き上げることをめざします。
また、経済的な理由などで妊婦健診を受けられない人が“たらい回し”で死産するという事故が多発したことを受け、1回5000~1万円程度の費用がかかる妊婦健診について、09年度から、望ましいとされる14回分まで公費助成を拡大。現在、全ての市区町村で実施されています。
公明党は、近年の出産費用の上昇を踏まえ、出産育児一時金のさらなる増額を一貫して推進してしています。2019年10月と翌20年2月の衆院予算委員会で繰り返し引き上げを訴え、答弁で政府から「検討」の方針を引き出しています。こうした公明の取り組みを受け、厚労省は21年度から、費用増加の原因などを明らかにするため、実態調査を実施。結果を近く公表する予定と聞いています。
先月、横浜市からも国に対して『安心して出産できる社会に向けた出産育児一時金の増額』を要望しています。(以下 要望項目)
1.出産育児一時金について、出産費用の実態を把握した上で、子どもを望む家庭の経済的負担を軽減すべく、全ての健康保険で現在の42万円から増額して、実態に合わせた額を支給する制度を構築するとともに、その増額分は、国の責任において必要な財政措置を講じる事。
2.他の地域と比較して経済的負担の大きい首都圏に対する、出産育児一時金の地域加算制度の構築。
【現状と課題】出産費用が上昇傾向にあることを踏まえ、出産育児一時金の増額が必要です。
出産にあたっては、法令等に基づき、加入先の健康保険が原則42万円の出産育児一時金(産科医療補償制度掛金分の費用含む)を支給。厚生労働省によると、病院及び診療所における出産育児一時金(正常分娩)の直接支払制度専用請求書を集計した令和元年度の出産費用の自己負担額の全国平均値は46万217円。産科医療補償制度等の費用を含めると52万4.182円となっており、一時金42万円と大きく乖離。
横浜市における国民健康保険加入者の平成30年1月から令和3年9月迄の出産費用は(正常分娩分)の分析では、市内医療機関での出産の場合、自己負担額の平均値は57万3.644円、中央値は57万1890円。これは、国民健康保険中央会の調査(平成28年度)における全国平均値と比較して6万7.885円、全国中央値と比較して7万8.490円高額な状況。令和4年5月には、九都県市首脳会議としても、出産育児一時金の拡充を要望しています。
国を挙げて子どもを産み育てやすい社会の実現に向けて取り組む中、出産育児一時金の増額により、子どもを望む家庭の経済的負担を軽減する事は喫緊の課題です。
年々、出産費用は上昇しており、平成21年度10月以降、出産育児一時金の増額は42万円から増額しておらず、実態と大きく乖離。早急な実態調査及び一時金の増額が必要。
出産費用(正常分娩)は自由診療の下で実施されている事から、ほかの地域と比較して特に首都圏における費用が高額(平均値等55万円以上)となり、居住地による経済的負担の差が大きい。そのため、首都圏における出産育児一時金については、地域加算等が必要です。