新型コロナ危機を踏まえた国際平和の実現について予算市会、代表質問にて取り上げました。
2020年3月11日にWHOが新型コロナウイルス感染症のパンデミックを宣言してから2年が経ちます。今回のパンデミックは人類を等しく襲っていますが、その深刻さは人々の置かれた状況によって大きな隔たりがあり、世界中に「格差と分断」をもたらしています。例えば、日本ではワクチンを2回接種した方は約80%ですが、アフリカ諸国での接種率は未だに10%に満たない状況で、ワクチン接種の遅れから感染が抑制できず、経済回復の遅れや教育機会の制限などの長期の悪影響も懸念されるところです。さらに、オミクロン株の広がりで、先進国は追加接種を加速し、アフリカ等の新興国とのワクチン格差はむしろ広がりをみせています。
先進国と新興国が協力し、各国政府間だけではなく、都市と都市、市民と市民が連携し、言わば「地球民族主義」といった観点から連帯意識を高め、世界のどの国の市民も取り残されることなく安寧な生活を享受できることが、真の意味での世界平和であると考えます。
横浜には、ノーベル平和賞を受賞したWFPを始め、食糧関係の国際機関FAO・IFADの日本事務所、世界の森林問題に取り組むITTOの本部が事務所を構えており、貧困や飢餓などの解決に向けて本市と連携して取り組んでいます。まもなく友好都市提携50周年を迎える中国・上海市をはじめとする、世界の姉妹都市・パートナー都市等との国際交流も、国際平和の構築に欠かせない取組です。
また、横浜市は、国連から称号を授与されたピースメッセンジャー都市として、あらゆる核実験への抗議や、「核兵器のない世界の実現を強く求める決議」などの核兵器廃絶に向けた姿勢を一貫してきました。さらに、2018年の「国際平和の推進に関する条例」の制定により、国際平和に貢献する都市としての姿勢を一層明確にしたところです。
質問・ピースメッセンジャー都市・横浜の市長として、地球規模で生じる諸課題の解決や核兵器の廃絶に向けて取り組む決意を伺う。
世界平和の実現のためには、感染症や気候変動、核兵器廃絶など、人類が直面する様々な問題への理解を深め、様々な国の人々とともに課題解決に取り組む、「世界市民」的な視野を持った人材を育てていく必要があると考えます。次代を担う人材育成にも力を入れていただくよう要望し、質問を終わります。
《市長答弁》ピースメッセンジャー都市・横浜の市長として、地球規模で生じる諸課題の解決や核兵器の廃絶に向けて取り組む決意として、感染症対策やSDGs・脱炭素化等を進め、核兵器廃絶を含む国際平和を実現するため、都市の役割と国際社会の協力が一層重要となっています。広島・長崎と共にピースメッセンジャー都市に選ばれた責務を受け止め、「国際平和の推進に関する条例」に則り、国際交流、国際協力、多文化共生の取組を一層推進するとともに、国際機関等との連携を進め、世界の平和と繁栄に貢献していきます。
◎世界平和の実現のためには、感染症や気候変動、核兵器廃絶など、人類が直面する様々な問題への理解を深め、様々な国の人々とともに課題解決に取り組む、「世界市民」的な視野を持った人材を育てていく必要があると考えます。次代を担う人材育成にも力を入れていく事をも要望しました。