横浜市において検討されている『財政ビジョン』について代表質問にて、市長に質しました。
(以下 質問要旨と市長答弁):写真は公明党横浜市会議員団「いじめストップ」ワールドアクション2022 PINK SHIRT DAY の取り組み。
◎一昨年の9月に、長期財政推計が初めて公表され、本市の持続性について警鐘が鳴らされました。公明党は、本市の将来に対して責任を持つ立場から、今後の財政運営について、中長期のスパンで基本的な方針を示すべきではないかといった議論等を重ねてまいりました。京都市では、昨年、「行財政改革計画」を策定し、待ったなしの財政再建を進めることとなりましたが、必要な改革を先送りしていたことにより、「京都市主催のイベントの全面休止・公費負担ゼロ」や「市営住宅の家賃減免の見直し」など、市民に急激かつ多大な負担を強いる状況になっていると認識しています。
これは、本市の財政状況からすれば、同様の事態に陥るリスクが十分にあるという意味で合いで、他山の石とすべき状況だと思いますが、そうした危機意識は、市民の皆様や議会、行政内部の中でも、未だ明確になっていないのではないかと感じています。
質問:財政ビジョン策定の背景となる本市財政を取り巻く状況について、市長の認識を伺う。
【市長答弁】近年は、将来世代からの前借りを意味する減債基金の取崩しなど、臨時財源に依存した財政運営により、行政サービスの水準を維持している状況です。さらに、今後、人口減少と高齢化の進展等により、収支不足はますます拡大すると予測されています。こうした状況を踏まえれば、本市の財政は今から手を打たなければ、遠くない将来に破綻に近い状態となりうる、そういう危機的な状況であると認識しております。
◎大きな改革を進める際は、後ろ向きにならず、目指すべき理想的な姿や、希望のある将来像といったものを掲げながら、関係者間で一つ一つ、前向きに議論を積み重ねていくことが重要であると考えます。また、今後リソースが限られていく中でも、縮小均衡に陥らず、横浜市という共同体を持続的に発展させていくためには、リソースを効果的に投資し、パイを増やしながらそれを再投資していくという「経営」の視点も求められます。その意味では、財政ビジョンの正式名称が「横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョン」となっていることは、財政ビジョンが単なる「財政再建計画」とは異なり、人口減少社会にあっても、未来を向いた非常に前向きなステートメントであるという意思を感じました。
質問:本市財政の未来像として示した財政ビジョンに込めた想いについて、市長に伺う。
【市長答弁】本市財政の未来像として示した「財政ビジョン」に込めた想いについては、厳しい将来の見通しの中でも、現在、そして将来の市民の皆様に対して、横浜の豊かな未来につながる道筋をしっかりと示していく、このことが、市長としての私の責任であるという強い想いから、市政の土台である財政について、中長期的な方針を示すことといたしました。そして、市政の土台だからこそ、誰もが共有できる明るい未来像を示すものとして、「横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョン」という名称といたしました。
◎財政ビジョンの基本方針の柱のひとつに「資産経営」、「ファシリティ・マネジメント」が掲げられています。経営資源を総合的に捉え、その価値を最大化するためにマネジメントしていくという考え方です。時代の変化を適切に捉え、市民のニーズに応えていくため、例えば、公民連携を積極的に取り入れ、新たなアイデアを得ることで、思い切って、ドラスティックに進めていくことも重要だと考えます。とりわけ、資産の利活用、特に未利用の土地などの活用では、これまでそのポテンシャルが十分に発揮されていない土地が多くあるため、積極的なオープンデータ化により、民間のノウハウを積極的に取り入れるなど、公民連携の視点を持って、戦略的に利活用を進めていくことが、これまで以上に求められることなのではないかと考えます。
質問:資産の利活用を進めていくためには、公民連携の視点を持ち、戦略的に利活用を進めていくことが今後ますます重要になると考えますが、市長の見解を伺う。
【市長答弁】「資産の利活用を進めていくためには、公民連携の視点を持ち、戦略的に進めていくことが今後ますます重要になる」事については、未利用となっている資産、特に、郊外部にある廃校等の大規模な資産の利活用を進めるには、これまで以上に、市民や企業の皆様と情報を共有し、地域の抱える課題と財源確保を複合的に解決する一歩進んだ取組が必要です。多様なパートナーと連携し、より柔軟な発想で、新たな価値を持続的に生み出していく、そうした視点を大切に、資産の利活用を推進していきます。