新型コロナウイルス感染症の対応に関する指定都市市長会緊急要請 を行った旨、発表がありました。保健所業務の負担軽減について、積極的疫学調査や療養支援を柔軟に実施できるよう、対象については重症化リスクの高い方などに重点化し、国においてその統一的な基準について示すこと。新たな届出基準を策定する事となります。(以下発表資料)
新型コロナウイルス感染症の対応(保健所業務の負担軽減)に関する指定都市市長会緊急要請
新型コロナウイルス感染症については、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という。)上、新型インフルエンザ等感染症と位置付けられており、2類相当とされている。このため、医師が患者(確定例)や無症状病原体保有者等と診断した場合、感染症法の規定に基づき直ちに届出を行うこととされ、保健所行政を担う都道府県や指定都市等の長はこの届出に基づき、感染症の予防や原因を明らかにする必要がある場合は、陽性者への積極的疫学調査を行い、まん延を防止するため必要があるときは、入院措置のほか軽症患者や宿泊療養者への療養支援を実施している。
現在、感染が急拡大しているオミクロン株については、感染力が強いとされる一方で、世界保健機関は、「鼻やのどなどの上気道の炎症を引き起こしやすいものの、他の変異ウイルスと比べて肺まで達して重症化するリスクは低い」という見解を示しながらも、「免疫系を障害し、再感染やブレイクスルー感染のリスクを高めており、高齢者や基礎疾患を有する人にとって重症化するリスクは依然としてある」としている。さらに、感染力が強いことから、現在の第6波は、第5波までの感染者数を大きく超える爆発的なスピードで感染が拡大しており、保健所業務がひっ迫している。また、社会・経済活動の停滞を招きかねない危機的状況である。これまでのやり方では、重症化リスクのある方へのアプローチが遅れ、国民の命と健康を守れなくなり,日常生活の維持も図ることができなくなることが危惧されることから、以下のとおり緊急に要請するものである。
1 )オミクロン株など病原性の低い変異株による感染拡大期には、膨大な数の陽性者に対して積極的疫学調査や療養支援を実施することは、保健所の対応職員数を増加しても極めて困難であることから、積極的疫学調査や療養支援を柔軟に実施できるよう、対象については重症化リスクの高い方などに重点化し、国においてその統一的な基準について示すこと。
2 )今回の第6波の課題を踏まえ、今後の対応として、国民の命を守るため、重点化を図る観点から、現在の感染症法で規定されている全数を直ちに届け出る扱いを見直し、新たな届出基準を策定すること。策定にあたっては、重症化のリスク因子となる疾患等がある場合や、入院の必要性がある場合など、直ちに届出が必要となる場合を限定し、これ以外の無症状病原体保有者や軽症と診断された場合は、感染症法に基づく届出のあり方を見直すことも含めて検討すること。