横浜市第4回定例会において、公明党を代表して一般質問において木内議員が「地域交通の確保」について市長対して質問しています。
・地域交通の確保について伺います。ここ数年、路線バスの利用者の減少や運転手不足による減便等に伴い、地域交通の根幹となる路線バスの維持が困難な状況になっています。また、地域内においては、高齢化の進展等により日常生活を支える移動手段の確保も求められるなど、地域交通を取り巻く状況は厳しさを増しており、地域交通の確保は「本市における最も重要な政策課題のひとつである」と認識しています。
このような状況を踏まえ、本市では3年前から庁内横断のプロジェクトを立ち上げ、政策局を軸に関係区局が連携しながら、「バスネットワークの維持」、「地域内の移動手段の確保」、「ICTの活用」に関する方向性の検討が進められるなど、本課題について市が一丸となって取り組んでいることは高く評価していますが、少子高齢化は一層進行し、そこにコロナ禍が追い打ちをかけており、地域交通の対策は待ったなしの状況です。
質問:(1)現在の地域交通施策の取組状況について伺う。
《市長答弁》バス路線の維持については、路線の再編や、輸送量が大きい連節バスの導入など、運行の効率化に向け、バス事業者や地域との話し合いを進めています。また、バス路線がないエリアについては、買い物など日常生活の移動手段の確保に向けた、地域交通サポート事業の支援拡充を行うとともに、タクシーの更なる活用について、関係者との話し合いを進めています。
・例えば高齢化が進んだ団地への路線が大幅に減便されるなど、地域の移動手段確保が困難になっていると聞いていますが、市内のどのバス事業者も状況は同じで、減便や廃止が進んでいる状況にあり、現場では既に市民の生活の足が奪われ始めています。敬老パス75歳以上自己負担ゼロについて議論を行うにしても、肝心な地域の足であるバスがなくなってしまっては本末転倒であり、地域交通があることが大前提です。
現行の中期計画にも地域交通が重要な政策として位置づけられていますが、より踏み込んだ政策の方向性を示すことが求められます。そこで、市民の身近な移動手段を確保すべきと考える。
《市長答弁》少子高齢化の進展やライフスタイルの多様化など、社会が大きく変化している今こそ、地域で誰もが自分らしく、生き生きと安心して暮らすことができるまちづくりが求められています。その中でも、地域交通が果たす役割は、極めて重要であると考えております。そのため、本市がリーダーシップを発揮し、交通事業者に加え、福祉・商業など他の分野の事業者や、地域の皆様としっかりと連携をし、一層のスピード感を持って、地域交通施策を進めてまいります。
●どこかへ出かけるー「移動」は人類が持つ優れた本能の一つ。人間が人間らしく生きていく為の権利の一つです。「あなたは、高齢者なので出かけないで下さいとは言えない」。自由に出かけることの素晴らしさ。これは、『移動貧困社会』からの脱却とのタイトルの書籍で“高齢社会からモビリティ―を考える会”楠田悦子さんが書いておられます。
歳を重ねても障害があっても、安全で自由な移動に困らない心豊かな暮らしと社会のための「モビリティ―」が大切で、代替手段がない日本社会こそが問題。刻々と進展する超高齢社会の負の側面の一つが歴然と示されたとしています。その通りであり、高齢者の免許返納という事も昨今言われますが、交通事故削減の解決策と車に代わる移動手段の確保の問題だけではない「第2の介護問題」と言っても過言でない時代かもしれません。
家屋や経済の疲弊に関わる大きな問題でもありますが、介護問題同様に、高齢者の足の確保を家族が背負うというこれまでの発送を変える必要があります。
書籍では、クルマ至上主義からいまだ抜け出せない日本の姿があり、この国は、ドライバーを養成する強固な仕組みはあるが、運転スキルの見直しや運転免許証を返納する仕組みは魅力に欠けている。そしてクルマ以外の移動手段を失い、家族への負担や経済を圧迫してしまう様な移動貧困な日本社会の実像。としています。
後を絶たない通学中の子どもの事故等、自動車中心の環境を築いてきた国の在り方、山坂の多い横浜が地域交通瀬策としてのビジョンを描き示す時であると痛感してます。