地球規模の課題解決に向けた国際連携の重要性について、令和2年度決算特別員会にける国際局の質疑の内容です。
コロナ禍の令和2年4月に、中国・上海市との長年の友好関係に基づいて、本市の上海事務所が現地で437万枚のマスク調達に成功したことが大きな話題となりました。海外事務所の活動が、市民生活に直接貢献した好事例だと思います。感染症対策に留まらず、温暖化対策なども含めた地球規模の諸課題の解決、すなわちSDGsの達成に向けても、本市の海外事務所が機動性を発揮しながら、海外都市と連携した取り組みをする事も重要です。
質問:そこで、こうしたSDGsの推進に向けて海外事務所が取り組んでいる事例について伺う。
米州事務所において、先進的に取り組む都市によるネットワーク「SDGsリーダーシップ都市連合」に参加し、その活動を通じてSDGsを推進しているところです。この「SDGsリーダーシップ都市連合」は、世界的に有名な米国のシンクタンクである「ブルッキングス研究所」が主導し、2019年に設立されました。メンバーは、ニューヨーク、ロサンゼルス、メキシコシティ、ブエノスアイレス、ヨーロッパではマドリッド、ミラノ、ヘルシンキなど、そしてアフリカの都市も一部加わっています。参加実績としては、これまでに4回会合に参加しています。
公営党横浜市会議員団の主導により、平成30年に全会一致で可決した「横浜市国際平和の推進に関する条例」では、地球規模で生じる飢餓、貧困や環境問題など、人類の生存と人間の尊厳に関わる諸課題の解決のためには、国家による外交活動のみならず、地域や市民による国際交流や国際協力等が重要であると掲げられています。ただいまの答弁にありました、米州事務所による「SDGsリーダーシップ都市連合」への参加は、まさにその理念を実践に移すものであろうと期待しています。
質問:SDGsリーダーシップ都市連合を通じて世界の都市に向けて発信した本市の取組 について伺う。
答弁:本年7月に発表された都市連合参加都市のベストプラクティス集に、本市国際協力課の取組を紹介しました。具体的にはY-PORT事業による都市間、それから民間も含めたパートナーシップのいろいろな工夫の本市経験を紹介したところです。
国際的な連携体制のもと、本市が我が国有数の都市として蓄積してきた知見・経験をもって、地球規模の課題解決に向けて貢献することは、我が党が推進する「人間の安全保障」にも繋がります。
質問:そこで、(3)新型コロナウイルス感染症や地球環境など人類共通の課題の克服に向けて、海外都市等と連携した取組を一層進め、誰一人取り残さない世界の実現を目指すべきと考えるが見解を伺う。
答弁:現在、世界の人口の中で都市人口は5割以上になったと言われており、今後もますます都市の人口は増えていくと思われます。ご指摘のような、感染症対策や気候変動問題、女性活躍、そういった様々な地球規模の課題解決に向けた都市の役割はどんどん高まっていると思われます。また、国際的な都市連携というのも非常に重要になっていると考えます。今年6月に、G7にあわせて開催されました都市サミットでは、本市も参加しまして、G7の活動の一環として、都市間の対話・協力により感染症対策や気候変動などへの取組を一丸となって行うという共同宣言をとりまとめました。今後も、本市としてはY-PORT事業などを通じたスマートシティ事業への協力をはじめ、デジタル技術の活用の共有など、海外都市との連携を通じた地球規模の課題解決に向けて取り組んでいきたいと考えています。
長年にわたり築いてきた姉妹都市等との信頼関係を尊重しつつ、海外事務所が切り拓いた新たな連携の枠組みも活用しながら、本市の国際連携が一層強化されることが重要です。