横浜市では、シティネット(アジア太平洋都市間協力ネットワーク)を通じた国際協力事業を継続して行っています。シティネットは、アジア太平洋地域の都市問題の改善・解決を目指す非営利の国際組織です。1987年に設立され、設立当初の会員数は26会員でしたが、今では173の都市・団体等が加盟しています(2020年11月時点)。大韓民国ソウル特別市に事務局を置き、横浜市にも国際協力事業を担う組織としシティネット横浜プロジェクトオフィスを設置しています。
横浜市は、シティネットが設立された1987年より加盟しており、第1回シティネット総会(1989年)にて会長に選出されて以来、以後6期に渡って会長都市を務めてきました。第7回シティネット総会(2013年)には、これまでの貢献が認められ、名誉会長都市に選出され、現在まで名誉会長都市を務めています。また、横浜市は防災分科会の議長都市も2013年より務めており、防災分野におけるセミナーの開催や会員都市からの研修及び視察の受入、専門家の派遣、覚書に基づく長期的な支援事業等を通じて、国際貢献を行ってきました。
今回の決算特別委員会の国際局審査では、コロナ禍における事業について質疑を行いました。
質問:コロナ禍におけるシティネット事業実施への工夫
【答弁】渡航制限がある中、オンライン会議システムやビデオ映像などのデジタル技術を活用し、シティネット会員向けの防災分科会セミナーや、フィリピン・マカティ市の消防隊員への技術協力を行いました。また、昨年度は、海外都市からの横浜市民防災センター視察をバーチャルで実施し、オンラインのメリットも生かし、概ね500名の参加をいただきました。
質問:令和2年度の防災分科会セミナーの実施内容
【答弁】防災分科会の会員都市や専門家が集い、地震や洪水への災害対策のほか、2年度は初めて、感染症対策をテーマにして災害医療の取組など知見を共有しました。3日間のプログラムで延べ240名の参加をいただきました。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、本市からは地域医療体制維持のためのY-CERTを紹介しました。
質問:今後のシティネット事業の展望《国際局長答弁》
【答弁】シティネットの会員都市は、現在、防災、気候変動、SDGs、インフラ4つの分科会に分かれて主に活動しております。委員ご指摘のとおり、多様化・複雑化した都市課題の解決のためには、いわゆるDXや新しい環境のためのスマート技術の活用も重要と思っており、そのような分科会も立ち上げたらどうかと事務局に持ち掛けているところです。また、都市と都市の連携で行政ノウハウの共有だけではなく、民間企業の技術や例えば大学等の学術機関などの知見の活用といった、様々な関係者と連携した取組がさらに重要になってきている、ということも考えています。このような展望も踏まえつつ、シティネット事業に取り組んでいきます。
地球規模で取り組むべき課題が増えている中、このように、横浜市の知見を活用した国際協力事業をさらに展開していくべきであり、現在私たちが直面している感染症対策をはじめ多様化している課題にネットワーク生かした協力体制で乗り切る事が大切です。