コロナ禍における外国人相談対応強化事業について (R2年度の決算特別委員会国際局審査質疑)
WHOでは、社会的な距離を意味する「ソーシャルディスタンス」ではなく、物理的・身体的な距離を意味する「フィジカルディスタンス」を用いる事を勧めています。「ソーシャルディスタンス」という表現では、人と人の繋がりを制限しなければならないとの誤解を拡げてしまい、社会的な孤立や分離を固定しかねない。日常的に援助を必要とする人達にとって周囲のサポートが制限されれば、毎日の生活に支障をきたす事になります。
コロナ禍で、在住外国人の皆様をも日本人と同様に、危機下での生活環境を支えていくことは、持続可能かつ豊かな市民生活を実現する上で大変重要であると考えています。令和2年度9月補正予算の編成においては、我が党は「緊急要望書」を市長に提出し、区役所窓口や国際交流ラウンジ、横浜市国際交流協会への支援を通じた外国人への対応強化について要望し、予算化に結び付きました。
質問:コロナ禍での外国人対応強化に当たって、令和2年度における国際局の取組状況について
答弁:令和2年度9月の補正予算により、コロナ禍での外国人相談対応の強化を図りました。主な内容としては、18区へタブレット通訳端末や翻訳機器を配備したこと、国際交流ラウンジにおいて、Wi-Fi環境の整備や通信機器配備などを設置するハード面の強化を行い、一部事業のリモート化を支援したこと、横浜市国際交流協会の通訳ボランティア派遣を一部リモート化したことなどが挙げられます。
質問:取り組みによるこうかについて。
答弁:区役所窓口に通訳タブレットを配備したことにより、窓口で対応した言語が10言語となり、迅速な対応が可能となりました。通訳タブレットは、18区合計で1,844件の利用がありました。国際交流ラウンジやYOKEでは、これまでの対面による対応に加えて、新たに一部事業をリモート化することで、利用者の利便性や安全性を高め、延べ約51,000人の利用に結び付きました。
質問:取り組みの中で見えてきた課題。
答弁:YOKEや各区の国際交流ラウンジに私も含め職員が訪問してヒアリングを行っています。その中で、課題がいくつか見えてきており、対面に比べてリモートでは相談者の詳しい事情や心情に寄り添いにくい面があること、リモートを活用するために相談スタッフの情報機器の取扱いや相談スキルの向上も必要させていかなくてはいけないこと、対面に比べリモートを通じた相談件数がまだ少ないことなどです。地域の身近な相談窓口として、国際交流ラウンジにはリモートによるアクセスも可能であることを、より周知徹底していく必要があることなどを、課題として認識しています。
質問:感染症対策や危機管理などにおいて、在住外国人の安全・安心のために、国際局としてどのように取り組んでいくのか。
答弁:危機管理の面では、まず正しい情報を適時に提供し、それが確実に外国人の方々に届くことが重要です。このため、重要なお知らせをスマホのプッシュ通知機能を使って配信すること、緊急時には、本市災害対策本部とYOKEが連携した「災害情報センター」を設置すること、平常時から防災意識の向上は必要ですので常設の「災害情報ウェブサイト」を開設することの検討、を考えています。今後も、現場の声を大切にしながら、危機管理の対応を進めていきたいと思います。
アフターコロナにあっても横浜が外国人から選ばれる都市であり続けるために、更なる体制の強化をする事を要望しました。それが外国人の方々との多文化共生の横浜市の在り方です。