横浜トリエンナーレは、3年に1度開催される現代アートの国際展で、8月4日(金)‐ 11月5 日(日)の88日間の開催で、横浜開催は、今回で6回目となります。
横浜美術館・横浜赤レンガ倉庫1号館・横浜市開港記念会館 地下。また、BankART Syudio NYK や黄金町バザールでも連動した展覧会が開催されています。今回は、横浜美術館及び横浜開港記念館にお伺いしました。
まず、タイトルにある[島][星座][ガラパゴス]は、接続や孤立、想像力や創造力、独自性や多様性などを表すキーワード。いま、世界はグローバル化が急速に進む一方で、紛争や難民・移民の問題、英国のEU離脱、ポピュリズムの台頭などで大きく揺れています。 ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」では、「接続」と「孤立」をテーマに、相反する価値観が複雑に絡み合う世界の状況について考えます。
また、トリエンナーレでは、アーティストを厳選し、その多くが複数作品を展示することで、小さな個展群が緩やかにつながり、星座あるいは多島海を形作るように展覧会を構成。幅広い分野の専門家が参加する公開対話シリーズ「ヨコハマラウンド」を通して討論を重ね、視覚と対話の両面から深くテーマを掘り下げ、「議論」や「共有・共生」の機会となることを目指します。
先行きの見えない複雑な時代に、人間の勇気と想像力や創造力がどのような可能性を拓くことができるのか。 多くの人々とともに考え、開国、開港の地・横浜から新たな視点を発信します。(ヨコハマトリエンナーレ2017 HPより)
メイン会場となる横浜美術館の外壁と柱に、救命ボートと難民が実際に使用した救命胴衣を用いて、難民問題に関する大型インスタレーションです。
また、今回は、「開港」の地・横浜からの発信というコンセプトも気になるところで、以下は横浜美術館副館長 主席学芸員でコ・ディレクターの柏木智雄のお話です。
江戸時代においては、一寒村に過ぎなかった横浜村は、1859年に開港場の一つとなり、急速にインフラが整備されました。そして、その必然として内外の文物や人々が新たに交錯する場所、すなわちガラパゴス的な「孤立」から「接続」する場へと劇的な変貌を遂げ、日本の近代化を牽引する街の一つとして発展を遂げました。
ヨコハマトリエンナーレ2017は、「接続性」や「孤立」など全体のテーマに緊密に関連する複数の観点を手がかりとしながら、今日的な諸問題を分野横断的に考察することを目指しています。その一環として、一見、現代アートとは無関係と思える横浜の歴史的背景を意識的に視野に入れています。すなわち、会場のひとつとして日本の近代化を象徴する市内の歴史的建造物を選定していることも、そして横浜の史実や地誌などに言及する複数のアーティストを出品作家に含むことも、そうした視点に基づいています。また、本トリエンナーレのテーマに深く共鳴すると思われる会場近隣の歴史的な場所や施設などを複数特定し紹介していくことも、同じ視点に基づくものです。(HP~)
0と1の間には「無限」があり、アートは、それを取り扱うものだと思うのです。これは、解剖学で東京大学の名誉教授の養老孟司さんメッセージです。ヨコハマトリエンナーレ2017を通して、多くの方々が現代美術の創造性と多様な視点を味わい、想像力の翼を広げるということを考えていきたいと思っています。
国では、3年後の東京五輪・パラリンピックの開催に向けて、多彩な文化芸術関連の行事を行う「文化プログラム」を、今後、本格的に進めるとしています。「オリンピック憲章」では、スポーツと文化、教育の融合を重視しており、五輪開催国に文化イベントなどの「文化プログラム」の実施を義務付けています。五輪は「文化の祭典」でもあります。公明党は、党として昨年、「党文化プログラム推進委員会」を立ち上げ、文化芸術関連団体などの意見を聞き、政府に文化プログラムの効果的な計画・実施に向けた要望を重ねてきました。
この時を生かして、芸術立国への推進を加速することを目指します。