文化芸術は、人の心を豊かにし、創造性と感性を育むとともに、創造的な活動の源泉ともなります。そして、時代や国境を越えた共感は、人と人とを結びつけることにも繋がります。
また、文化芸術は、その都市に多くの人をひきつける魅力や社会への影響力をもつ「ソフトパワー」として意識され、地域資源に新たな魅力を付加することも指摘されています。
横浜市では他都市に先駆けて、文化芸術の創造性を生かし、「文化芸術振興」や「経済振興」といったソフト施策と「まちづくり」などのハード施策を一体的に取り組む「文化芸術創造都市」=「クリエイティブシティ」の取り組みを進めてきました。
そして、文化芸術振興・創造都市の取り組みは、成長戦略の一つです。横浜市では、「文化芸術振興」と「創造都市施策」を一体的に促進し、さらなる相乗効果を発揮するため、文化芸術創造都市に関する今後の施策展開の基本的な考え方として、「横浜市文化芸術創造都市施策の基本的な考え方」を策定しています。
期間は平成24年から概ね10年とし、横浜が市民にとって誇れるまち、国内・海外からも「選ばれる都市」として持続的に発展し、都市の活性化を図るため、市民、NPO、アーティスト・クリエーター、団体、企業と協働しながら、文化芸術の創造性を最大限に発揮する「文化芸術創造都市」づくりを目指しています。
創造都市とは、1983年に着工したみなとみらい21地区が業務施設に加えて文化・アミューズメント施設や特色ある商業施設などの整備によって賑わっていく一方で、開港以来横浜の中心となっていた関内地区などは、開港の街であった歴史を今に伝える当時の西洋建築や近代建築などの歴史的な建物が少しづつ姿を消し、横浜らしい風景が薄れたり、オフィスビルの空室率も増えるなど、経済・文化の両面で活力が失われつつありました。
この状況を脱し再び横浜の魅力を取り戻していくために「クリエイティブシティ」(創造都市)という考え方に着目、感動と新たな価値を生み出す「文化芸術」の「創造性」をまちづくりに生かすことで、「市民の活力を引き出す」「都市の新しい魅力をつくりだす」「産業を育む」ことを理念とする「創造都市施策」が生まれました。
(創造都市 横浜/ヨコハマ創造都市センターより)
2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催をされ、横浜市でも競技が行われます。
このオリンピック・パラリンピックは「文化の祭典」でもあります。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて,地域性豊かで多様性に富みレガシーの創出につながる文化プログラムを,全国で実施していくこととなります。
国では昨年、2020年に向け,文化振興の機運を高め,文化による国づくりに一丸となって取り組んでいくことを宣言しました。(通称:京都宣言)
横浜市においても、2020年にもトリエンナーレも開催される都市でもあり、多様な文化の発信がされることが望まれます。
身近な文化を大切に、横浜が文化芸術で選ばれる都市になること。そして何よりも、市民にとっての生きがいや誇りを深めることができる大切な期間として文化振興施策を進めていきたいと考えています。