横浜市の水道開設は、日本の近代水道の幕開けです。本年は、近代水道創設130年にあたり、横浜市では、記念事業を実施します。この事については、29年度予算特別委員会の局別審査で質問もしています。
開港後、戸数わずか100戸ほどの小さな村であった横浜の人口は年々増加し、市街地は急激に発展しました。当時の住民は水を求めて井戸を掘りましたが、横浜は海を埋め立てて拡張してきたため、ほとんどの井戸水は塩分を含み、良質な水に恵まれず、水の確保が大きな課題となっていました。
そこで、水不足の解消に向けて、英国人技師ヘンリー・スペンサー・パーマー氏の技術指導の下で当時の最先端の技術を導入し、明治20(1887)年に日本初の近代水道が、ここ横浜に誕生しました。
その後は、関東大震災や第二次世界大戦の大きな被害を乗り越えて、人口の増加や給水区域の拡大、産業の発展に伴い急増する水需要に合わせ、ダムなどの水源開発と8回にわたる水道施設の拡張工事を進めてきました。
そして、今日、水道は大都市横浜の市民の暮らしを支える重要な都市インフラとなっています。
本年は、横浜の水道が創設されて130年を迎える節目の年にあたります。現在のように、いつでも安全な水が使えることや、また、国際技術協力や災害時の復旧支援への積極的な取組など、横浜市水道局の高い技術力は、130年間の歴史の積み重ねの結果です。
近代水道創設130年記念事業を実施については以下の水道局長からの答弁がありました。
これまで水道事業の発展に様々な形でご協力をいただいた市民の皆様、 関係者の皆様への感謝の意を、記念事業として実施する様々な事業の中で、お伝 えしたいと考えています。 また、水道への関心が必ずしも高いとは言えない状況にありますので、市民の 皆様の身近な問題を取り上げ、関心を深めていただきたいと考えております。 更には、24 時間 365 日の安定給水を維持するために、水道局が日々行っている 取組というのもお伝えしたいと考えています。市民の皆様の身近なところで毎日のように行っ ております水道工事の仕組みや、老朽管更新の必要性をご理解いただくため、工 事現場見学会を実施したいと考えています。 また、安全な水をお届けするための浄水場の日々の取組を知っていただくため、 普段は見ることのできない浄水場の内部や水質検査の様子を見学していただく 浄水場の特別見学会なども実施したいと考えております。
私も「蛇口をひねれば、いつでも安全な水が出る」とこういう当たり前を維持 するために、水道局が日々行っている取組を市民の皆様にもっと知っていただき たいと思っております。 そこで今回の記念事業を通して、あるいは災害対策などの市民の皆様の関心の 高い話題をきっかけにしながら、水道局の日々の取組や、施設の老朽化などの水 道事業の課題もあわせてお伝えしたいと考えております。こうした取組によりま して、市民の皆様に水道事業の実態を知っていただき、理解を深めていただける よう努めてまいりたいと考えております。
保土ヶ谷区川島町にある横浜水道記念館を今回初めて訪問しました。ひしゃく一杯の水が貴重な時代から、日本で初めての近代水道の創設(明治20年)、そして現在に至るまでの歴史を資料・映像展示等で紹介しています。
技術資料館では、水道の技術的な資料の整理保存と技術の移り変わりをわかりやすく展示しています。
横浜市のほぼ中心地の高台に位置し、横浜ベイブリッジ、ランドマークタワーなどの風景が楽しめます。晴れた日には、宮ヶ瀬ダムや東京スカイツリーも見渡すことができる展望室が自慢の一つ。また、春には桜に包まれる「いこいの広場」もあり、水道と市民のふれあいの場として親しまれています。一度足を運んで貴重な歴史に触れていただきたいとも思いました。