横浜市は、子どもの心の不調を可視化し、 安心して学べる環境をつくる「横浜モデル」 構築に向けた試行事業を進めています。 横浜市立大学との共同研究で実施し、 今年度は市内の小中学校2校をモデル校に指定。DX( デジタルトランスフォーメーション) で児童生徒一人一人の心の変化を捉え、心理的・ 医療的ケアにつなげる試みは全国初です。
■DX活用、優先度を見極めケアへ
横浜モデルは、 児童生徒約26万人の教育ビッグデータの活用に向けて産官学が連 携する「横浜教育データサイエンス・ラボ」による研究の一環。 国のGIGAスクール構想の下、 各小中学校の児童生徒に1人1台配備されたパソコンやタブレット 端末を用いて、昨年6月に導入・設定した学習支援システム「 横浜St☆dy Navi」を使う。
毎朝の登校時、①たのしみ(わくわく)な気もち② かなしい気もち③ふあん(心配やこわい)な気もち―― がどれくらいあるのか、心の状態を0~100の数値で表す「 こころの温度計」を実施。入力したデータは、 リアルタイムで学校側に共有される。さらに、 心の状態をより詳しく確認する「こころの定期健診」(月1回、 15問程度のアンケート)では、ウェルビーイング( 心身の健康や幸福)や抑うつ状態を把握する。
収集したデータは、ケアが必要な優先順に「重度」「中度( 要観察)」「軽度(問題なし)」の3段階で判別される。 今年10月に実施した際は、「重度」の割合が小学生3%、 中学生4%。ケア対象の児童生徒には、 教員による声掛けや保護者との教育相談を設けるほか、 医療機関との相談会を実施するなど適切なサポート体制を敷く。 保護者の同意を得たデータは匿名化し、市立大と共有・ 分析することで、早い段階からケアプランを提供。
モデル校の児童生徒からは、「 自分の気持ちを数値化することで頑張ろうと思える」 といった前向きな声も。市不登校支援・ いじめ対策課の宮﨑智洋主事は「 自らが心の変化に気付く大切さを学ぶメンタルヘルスリテラシー教 育にも力を入れている」と話し、2026年度に順次、 モデル校を拡充していく考えを示しいます。

■公明が提案しリード/公明党市議団では、モデル校を視察。 関係者から事業の成果や課題を探るとともに、 授業の様子を見守った。教員の一人は「(横浜モデルは) 学校側が捉えきれなかった子どものSOSに気付くきっかけになる 」と強調。斉藤団長は「助けを必要とし、 今も言葉にできずにいる子どもたちに光を当てられるよう、 教育環境のさらなる充実をめざす」と。
党市議団は昨年1月、 不登校対策の一環としてDXを駆使した市立大のメンタルヘルス研 究を視察。同3月議会で、心の不調を可視化する事業を提案し、 行政と産学の橋渡しを担うなど、 横浜モデル構築への動きを力強く推し進めてきた。
■(横浜モデルの実施内容)■メンタルヘルスリテラシー教育■「こころの温度計」「定期健診」■収集したデータを匿名化し分析
■教育・医療機関との相談会開催(12月11日付 公明新聞)










