今日9月10日は、9月10日の世界自殺予防デーです。自殺対策を推進するためには、自殺について、誤解や偏見をなくし、正しい知識を普及啓発することが重要です。横浜市を含む九都県市の統一標語は、「気づいてください!体と心の限界サイン」です。
「自殺総合対策大綱」において、「9月10日の世界自殺予防デーに因んで、毎年、9月10日からの一週間を自殺予防週間として設定し、国、地方公共団体が連携して、幅広い国民の参加による啓発活動を強力に推進」することとされました。
以下は、神奈川県警から提供された、平成 27 年中の横浜市における自殺者のデータです。
平成 27 年の横浜市における総自殺者数は、514 人(男性:327 人、女性:187 人)で、男性が 63.6% 。平成 26 年の自殺者数に比べ、総数(532 人)で 3.4%減、男性(349 人)では 6.3%減、 女性(183 人)に対しては 2.2%増。 なお、総自殺者数の減少傾向は、平成 22 年から 27 年にかけて続いている。 自殺者数を年齢階級別、性別にみると、男性では 50 歳代が最も多く 72 人(22.0%)、女性では 40 歳代が最も多く 40 人(21.4%)であった。また、男性では平成 26 年と同様 50 歳代を中心とする一 峰性を示している。女性では平成 26 年は 40 歳代と 60 歳代を中心とする二峰性となっていたが、平 成 27 年は 40 ~50 歳代が中心となっている。
年齢階級別自殺者総数は、平成 26 年は峰が消えて台形のような形状を示し ていたものが、27 年では、50 歳代を頂点とした一峰性を示している。月別に自殺者数をみると、3 月が 58 人(11.3%)、次いで 10 月が 57 人(11.1%)と多く、9 月 が 31 人(6.0%)と最低になっている(表 3)。 なお、平成 26 年でも、3 月、10 月が 53 人(10.0%)と多く、傾向は変わっていない。しかし、 26 年に最低だった 7 月の人数は、今回は 10 月に次いで多くなっている。 性別にみると、平成 27 年では男性は 3 月が 37 人(11.3%)で最も多く、女性では 10 月が 24 人 (12.8%)で最も多かった。
曜日別自殺者数 平成 27 年資料では、曜日別に自殺者数をみると、月曜日が 83 人(16.1%)で最も多く、次いで金 曜日が 76 人(14.8%)で多く、火曜日が 62 人(12.1%)と最も少なかった(表 4)。 平成 26 年では、金曜日が 90 人(16.9%)で最も多く、次いで日曜日が 87 人(16.4%)で多かっ た。このことから、特定の曜日に要因が集中しているようには思われない。 性別にみると、男性では月曜日が 53 人(16.2%)で最も多く、女性では金曜日が 31 人(16.6%) で最も多かった
自殺の手段別に自殺者数をみると、「首つり」が 347 人(67.5%)で突出して最も多かった。性別に みても、男女共に「首つり」が最も多く、男性 228 人(69.7%)、女性 119 人(63.6%)であった。 次いで多いのは、男女共に「飛降り」で、男性 26 人(8.0%)、女性 27 人(14.4%)であった(図及 び表 7)。この傾向は平成 26 年と全く同一であった。
職業カテゴリ別に自殺者数をみると、男女共に「無職者」が最も多く、男性 156 人(47.7%)、女性 149 人(79.7%)であった。次いで多いのは「被雇用者・勤め人」で、男性 116 人(35.5%)、女性 27 人(14.4%)であった(図 9)。この傾向は平成 26 年と全く同一であった。
原因・動機の判断資料 「遺書」、「自殺サイト・メール等への書き込み」、「その他の生前の言動」といった、自殺の原因や 動機を判断する資料(以下、「判断資料」とする)を残していた自殺者は、274 件(男性 170 人、女 性 104 人)で、全体の 53.3%を占めた。判断資料を残して自殺する者の割合は、男性(52.0%)より 女性(55.6%)の方が高かったが、男女間に有意な差は認められなかった。
原因・動機 原因・動機は 53 種類の中から最大 3 つまで挙げられている。また、自殺の原因・動機は 7 つのカ テゴリ(『家庭問題』『健康問題』『経済・生活問題』『勤務問題』『男女問題』『学校問題』『その他』) に分類されている。 判断資料を残した 274 人(男性 170 人、女性 104 人)のうち、1 個の原因・動機が確定された者 は 170 人(男性 108 人、女性 62 人)で最も多く、62.0%(男性 63.5%、女性 59.6%)を占めていた。 一方、複数の原因・動機が確定された者のうち、原因・動機が 2 個の者は 87 人(男性 53 人、女 性 34 人)で、判断資料を残した者の 31.8%(男性 31.2%、女性 32.7%)であった。また、原因・動 機が 3 個の者は 17 人(男性 9 人、女性 8 人)で、判断資料を残した者の 6.2%(男性 5.3%、女性 7.7%)であった。なお、判断資料があって、自殺の原因や動機が判明しなかった者(「不詳」)はなか った。
WHOと国際自殺予防学会で共同開催された世界自殺予防会議で制定されたのが「世界自殺予防デー」。周囲の人の適切な支援で防ぐ事ができるのも自殺対策。身近な人の悩みに寄り添うことの大切さを、もう一度考える日としてはどうだろうか