横浜の観光 まずは「マイクロツーリズム」…。

 一昨日、再開した横浜市金沢区の横浜八景島シーパラダイスにてコロナ感染症の影響についてお伺いました。雇用調整助成金を申請し、休園中も従業員、アルバイトの雇用を維持。感染予防機材の整備で安全安心な施設を構築。
そして、地元の需要掘り起こしへ全力で取り組むとの事でした。

 昨年1年間の横浜市での「観光消費額」が前年から129億円増加し、3762億円に上り、これは2009年の調査開始以来最高額です。昨年は、ラグビーワールドカップ2019の開催され、決勝戦も横浜で行われ多くの方々に横浜に起こし頂いたことも影響しています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、横浜港で5月のクルーズ船の寄港予定が全便キャンセルになり、寄港ゼロは3月から3カ月連続です。日本寄港のツアーを相次ぎ中止しているため2020年の寄港キャンセルは計114回との報道もありました。今後の見通しが立っていないというのが現実だと思います。現在は大さん橋とHAMMAER HEAD新港9号には、運航が中止となっている「飛鳥2」と「にっぽん丸」が停泊を続けています。

外国人客が戻らず、国内も他県を訪れる需要の回復が見通しにくければマイクロツーリズムで需要を掘り起こすしかない。これは、日本経済新聞に掲載されていた「学び×これからの観光」の記事内の言葉です。以下は抜粋ですが、今後の「横浜×これからの観光」を調査研究もして参りたいと思います。

(抜粋)宿泊客からの反応は「近場でリゾートが満喫できた」と、手応えは悪くない。新型コロナウイルスの感染の要因とされる「3密」を防ぐためだ。「いよいよ観光の形を変えなければいけない」。車で1時間程度で移動する近場の旅行「マイクロツーリズム」を広げる布石だ。私は、新型コロナに対するワクチンや治療法が確立されるまで、およそ1年半かかると想定しています。今後、自粛と緩和を繰り返しながら、需要は徐々に戻ってくるでしょう。大事なのは1年半後を見越した計画を立てること。そうしないと必要以上に焦り、問題を悲観的にとらえてしまいます。4~5月の2カ月を、1年半のうちの最初の2カ月ととらえ、その間耐えることで感染を抑え込むことができれば、その後の観光需要が戻る可能性があるとみていました。

コロナ禍、観光業には様々な変化が起こります。一番大切なことは密集、密接、密閉の「3密」を回避すること。観光自体が「良くないもの」と定義されてしまわないためにも、宿泊施設が拡散の拠点となることは徹底的に避け、安心安全の旅を提供しなければなりません。

旅の目的も変わってきます。これまでは「きれいな景色が見たい」「アクティビティーを楽しみたい」などが主な旅の目的でした。これからは、自粛のストレスや恐怖感からの解放が重要なテーマです。今後1年半は、需要をとらえたうえで、観光業がどのように社会に貢献するかを明確にしなければなりません。

にらむのはリゾート地周辺の住民だ。山地なら新鮮な魚、海辺なら山の幸といった食材を提供するなど「地元の方のニーズにこたえ付加価値を付ける」観光を目指す。コロナ禍を逆手に取り旅行風景を塗り替えようとしている。まず最初に戻ってくるのは、周辺地域を旅行する「マイクロツーリズム」です。次に戻ってくるのが新幹線や飛行機を使った大都市圏からの旅行、そして最後にインバウンド(訪日外国人)による旅行です。日本の観光市場は約26兆円あります。実は、そのうちインバウンドによる市場は約2割、4兆5000億円しかありません。残りの約8割は日本人による日本国内の観光です。逆に考えれば、仮に今後1年半、インバウンドによる需要がなくなったとしても、国内需要を伸ばせれば乗り切れる可能性があるということです。さらに、日本からの海外旅行は、国内で支払われる金額だけで1兆1000億円の市場があります。観光地やレストランで直接お金を使うことを考えると、実際はその2~3倍が使われています。海外旅行に行けなくなれば、その分の消費が国内旅行に戻ってくる可能性があるのです。4兆5000億円の市場を失っても、2兆~3兆円の市場が新たに生まれるかもしれない。それを生み出せるかどうか、今後1年半は勝負の時です。

しばらくは周辺地域を旅する「マイクロツーリズム」が中心になることを考えると、提供するサービスも変えていく必要があるかもしれません。例えば食事です。地方ではこれまで、東京や海外から来る顧客のために、地元の食材を使ったその土地らしい食事を出す宿泊施設も多かったでしょう。しかし、周辺地域や地元に住むお客さんが増えると、求められる食材は地元のものではなくて、地元では食べられないものに変わります。「3密回避」を徹底しながら、そういった需要の変化に対応することが大事です。

同じように日本でも、海外旅行に行っていた約1600万人が国内を旅行するようになれば、日本の観光市場は広がります。それをどれだけ復活させられるかは、業界全体で徹底した感染拡大防止策を実施し、国内旅行は安心安全だということをアピールできるかにかかっています。

インバウンドに向けた魅力づくりで大切なのは、本物であるということです。外国人だけでなく、日本人にも受けがいい、ということです。インバウンドのために急に忍者やサムライの格好をしてみるとか、こういう魅力づくりは長続きしません。(以上)

観光とは、その町の「光を観る」との事が語源です。先人により築かれた横浜の財産や、横浜ならではの文化芸術やスポーツを大切する取り組み等、加えて新たな取り組みも必要です。観光は「街づくり」そのものだと思います。国際都市横浜に世界からより多くの人々が訪れる、日常を目指して。

 

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