横浜市会第3回定例会決算特別委員会下水道河川局審査について質疑に立ちました。
【大雨に対する下水道のソフト対策について】(質問及び答弁要旨)
●近年気候変動に伴い豪雨災害が頻発し、また激甚化しています。そして老朽化対策も相俟って、下水道・河川対策、浸水対策は市民生活の安全・安心のためには、欠かせない事業です。はじめに、大雨に対する下水道のソフト対策についてです。
本年3月に策定された「下水道浸水対策プラン」によるデータを活用した事前防災の対策について、令和7年第1回市会定例会において予算関連質疑、局別審査におても、本プランについて質問させていただきましたが、全国初の精緻な横浜型浸水シミュレーションを活用した浸水対策の計画であり、先進的な内容だと考えます。
【質問】そこで、改めて横浜型浸水シミュレーションの特徴について伺います。
【答弁】一般的な浸水シミュレーションでは、道路下に布設された公共下水道管のみをモデル化しておりますが、横浜型浸水シミュレーションでは、市域全域を対象に、全ての公共下水道管に加え、河川、水路、道路側溝など、44万件に及ぶ排水機能を持つ施設をモデル化しています。さらに、実際の下水道管内の水位とシミュレーション結果を比較するキャリブレーションにより、高い再現性を確認しており、他都市に類を見ない、極めて精緻な浸水予測が可能となっています。
●気候変動の影響により、施設整備の水準を超える降雨が増加している中、これまでも我が党は、ハザードマップの作成・配布、マイタイムラインの作成推進等も重ねて申し上げてきましたが、ソフト対策を進めることも重要であると考えています。
本市では、市民の皆様や地下街管理者の皆様の水害に対する防災意識の向上や、迅速な防災行動に役立てていただくことを目的に、令和3年6月から、横浜駅周辺の下水道の水位情報をウェブサイト上でリアルタイムに発信しており、今年、新たに戸塚駅周辺でも情報発信を開始しています。
【質問】下水道管内の水位情報発信の取組について伺います。
【答弁】横浜駅周辺での水位情報は、一日最大1,300件を超えるアクセスがありました。特に警報時には、アクセス数が伸び、地下街管理者による止水板設置の判断材料として活用していただいています。また、継続して、地下街管理者に対する情報提供や有効活用に向けた意見交換も行っています。令和7年3月からは戸塚駅で、新たに水位情報を発信するとともに、7月の防災訓練にも参加し、地下施設の管理者に対して情報提供などを行っています。
●さて、ソフト対策として、自助・共助の意識を高めるとともに、本市職員の災害時対応能力の向上を図ることも重要です。下水道河川局では、平成24年度に全国で先駆けて地震を想定した下水道BCPを策定し、その後、近年の水害の頻発化・激甚化を受けて、水害を想定した下水道BCPについても、令和2年度に策定し、訓練も実施していると聞いています。
【質問】水害を想定したBCP訓練の成果と今後の展開について局長に伺います。
【答弁】令和7年度は、夜間の大雨による河川氾濫といった、具体的な災害を想定し、局全体の連絡体制や、業務を継続するために必要な情報収集・共有の具体的な手順を確認することで、下水道と河川が一体となった災害時の体制や課題などを確認することが出来ました。今後、訓練で得られた課題などを踏まえ、各班の手順書の改定を行うなど、歩みを止めることなく、BCPのスパイラルアップを行い、災害時に業務を継続し、被災した機能を早期に復旧させることが可能な体制構築に努めていきます。
●市民の皆様の安全・安心を守っていただくため、浸水対策は非常に重要であり、ハード・ソフト、両輪の対策を積極的に進めていただくことを要望して、次の質問に移ります。