京都国際マンガミュージアムへ横浜市会の常任委員会にて視察にお伺いしました。
京都国際マンガミュージアムは、京都市と京都精華大学の共同事業で開設された、日本 初の本格的なマンガ専門施設です。日本のマンガは海外に幅広く受容され“MANGA”という単語が世界共通語として通用もしている等、世界をリードしています。国内においても、2000年度教育白書がマンガ・アニメーションを芸術分野の一つに位置付ける等、新しい文化の領域として認知されてきましたが、マンガはその多くが散逸、欠損している状況で、早急に体系的に収集・展示及び保存を行う必要性から、京都国際マンガミュージアムは創設されました。
マンガ資料の収集・保管・公開とマンガ文化に関する調査研究、資料と調査研究を基に、展示やイベント等の事業が行われています。いわゆる、博物館的機能と図書館機能を併せ持った文化施設です。 また、学術的な研究や研究者・専門家の養成拠点としての機能も重視しており、マン ガ文化の保存と発展に貢献する拠点となっています。
2006年の開館ですが、建物は、明治時代に建てられた旧龍池小学校の 校舎を活用したレトロな建物が特徴です。保存されているマンガ資料は、江戸期の戯画浮世絵から、明治・大正昭和初期の雑誌、戦後の貸本から現在の人気作品、海外の作品まで、約30万点が所蔵されています。「マンガの壁」と呼ばれる全長約200メートルの書架には、約5万 冊のマンガが並び、来館者は自由に手に取って読むことができます。 常設展示では、マンガの歴史などを紹介しているほか、常設コーナーでは紙芝居の実 演や似顔絵コーナーなど、体験型の企画も充実しています。
また、芝生の広場では、天気 の良い日にはマンガを持ち出して読むこともでき、子どもから大人まで、世代や国籍を 問わず楽しめる空間となっています。
京都の高山寺が所蔵する国宝「鳥獣戯画」や、平安時代中頃から鎌倉時代に盛んに作られた絵巻物など、京都には現代マンガに通じる多くの文化財が存在しています。歴史をかえりみた時、マンガの過去と将来を融合、発展させる都市として京都は最適との説明もありました。
京都のさらなる発展のための、新たな都市戦略の手法としての都市施設としての、役割も京都国際マンガミュージアムは担っているものと感じました。