舞鶴引揚記念館におけるシベリア抑留及び引揚の史実継承の取り組みについて

舞鶴引揚記念館におけるシベリア抑留及び引揚の史実継承の取組について視察しました。

舞鶴引揚記念館は、引き揚げやシベリア抑留を後世に継承し、平和の尊さを広く発信する施設として、昭和63年4月に開館した施設です。再び繰り返してはならない“引き揚げ”の史実を未来に伝え「平和の尊さ、平和への祈り」のメッセージを発信しています。戦争を知らない世代が多くなり、引き揚げの歴史も徐々に風化しつつある今、歴史を知りよりよい未来を創造するために役立つ拠点として、舞鶴引揚記念館の果たす役割はますます重要です。

お伺いした当日には、中学生の語り部さんが丁寧に平和の尊さを胸に様々説明をしてくださいました。ユネスコ憲章の前文に「戦争は人の心の中で生まれるものだから、人の心に平和のとりでを築かなければならない」とあります。舞鶴引揚記念館では引き揚げやシベリア抑留の史実を学ぶことにより、平和を希求する心をはぐくむ平和学習のプログラムをつくり、教育旅行の受け入れもおこなっています。戦後80年の今、戦禍を直接知る人が少なくなる中で、こうした取組みの重要性を改めて強く感じました。

【舞鶴引揚記念館の概要】昭和20年(1945年) 第二次世界大戦が終結し、旧満洲(現・中国東北部)や朝鮮半島をはじめ南太平洋など多くの国や地域に約660万人もの日本人が残されました。これらの方々を速やかに日本へ帰国させなければならなくなり、“引き揚げ”が開始されました。呉をはじめ順次18港の引揚港が全国につぎつぎと設置され、舞鶴もその役割を担うこととなり、主に旧満洲や朝鮮半島、シベリアからの引揚者・復員兵を迎え入れる港となりました。

舞鶴では昭和20年(1945年)10月7日に最初の引揚船“雲仙丸”が入港してから昭和33年9月7日の最終引揚船“白山丸”の入港まで国内で唯一13年間にわたり約66万人もの引揚者・復員兵を迎え入れました。舞鶴引揚記念館は、昭和63年(1988年)4月に舞鶴市民や引き揚げて来られた方々をはじめ、全国の皆様のご支援・ご協力によって開館し、再び繰り返してはならない“引き揚げ”の史実を未来に伝え「平和の尊さ、平和への祈り」のメッセージを発信しております。

当館には、シベリアの地で使用したコートなどの防寒着をはじめ「引揚證明書」などの文書類など全国から約1万6千点の貴重な資料の寄贈を受け、常設展示にて1000点を超える展示をおこなっております。平成27年(2015)10月10日に収蔵資料のうち570点がユネスコ世界記憶遺産に登録されました。(舞鶴引揚記念館HPより)

 

URL :
TRACKBACK URL :

コメント

  • 最近の投稿
  • 人気の記事
  • Category
  • アーカイブ