地域交通の更なる充実に向けて

地域交通は市民の皆さんの暮らしにおいて欠かせないものです。横浜市ではこれまで、既存バス路線の維持へ向けた支援や生活に密着した公共交通サービスの実現に向けて地域の主体的な取組を支援する「地域交通サポート事業」を進めてきました。2021年から人口は減少に転じ、今後さらに少子高齢化が進むと想定されています。また、新型コロナウィルス感染症の影響により、ライフスタ
イルは大きく変化しました。また、DXの進展や働き手の不足など、社会情勢は大きく変化しています。こうした社会の変化に対応し、地域交通の維持・充実を着実に進めていくため、今後の取組について方向性を取りまとめています。

公共交通のエリアの視点では、鉄道駅及びバス停から道路のネットワークや勾配を考慮して公共交通圏域を分析した結果、市域の大部分で公共交通へのアクセスが確保されていますが、市内各地に駅やバス停から離れたエリアが生じています。

今後、既存の「地域交通サポート事業」や市内で実施されている「実証実験」を踏まえ、地域交通の更なる充実に向けて、支援のあり方を検討していくとしています。継続した議会質問や予算要望において「地域交通」については、公明党横浜市会議員団として主張しています。第3回横浜市会、本会議一般質問においても公明党横浜市会議員団を代表して久保かずひろ議員が「地域交通について」取り上げました。以下質疑の要旨です。

●地域交通の確保について伺います。地域交通の確保は、市民の皆さんの暮らしを支える大変重要な施策であり、我が党としてもスピード感を持って重点的に進めるべきと訴えてきました。そのような中、今年2月の市会で報告があった「地域交通の更なる充実に向けた方向性」では、「公共交通 圏域外の地域に対して行政が地域の取組意向を確認する」というプッシュ型支援が示され、評価しています。さらに、「実証運行開始までの期間の短縮に向けて、取組の進め方を検討していく」とされており、これまで実証運行の開始までに4~5年かかっていた状況を改善していかねばなりません。

【質問】実証運行開始までの期間を短縮していくための工夫について、 副市長に伺います。

【副市長答弁】現在は、地域が主体となりルートや停留所の位置などの運行計画を作成しておりますが、その合意形成やその後の交通事業者との調整に時間を要しています。今後は、外出率等の客観的データに基づく需要予測や、交通事業者等の意見を踏まえ、われわれ行政が運行計画を作成し、地域に提案するなど、関与を更に深め、早期に実証運行が開始できる仕組みとしてまいりたいと考えております。

●実証運行が開始された後は、持続可能な取り組みにしていくことが重要です。そのためには、地域の皆さんに取組を認識していただき、地域に合わせた運行に変えていきながら、生活の一部としてご利用いただける段階まで、しっかりと取り組む時間も必要です。

【質問】持続可能な取り組みにしていくためには、実証運行期間を十分に確保するべきと考えますが、 市長の見解を伺います。

《市長答弁》これまでの実証運行から、地域の移動ニーズを的確に把握した上で、かつ利用者の定着が十分に図られるためには、一定の運行期間の長さが必要であることが分かりました。新たな制度におきましては、利用状況を地域と定期的に共有させていたいだ上で、利用を促す仕組みや、これまで1年程度となっていた実証運行期間の延長等を検討いたしまして、持続可能な地域交通を実現していきたいと考えております。

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