身寄り無し高齢者問題「終活支援」

昨今、国や自治体関係者の間でも、終活支援の必要性が再認識されています。身寄り無し高齢者問題は、ようやく政治課題となりました。現在、公明党横浜市会議員団として、視察、議会質問を重ね継続して取り組んでいる課題の一つです。

ここ20年ほどの間に、引き取り手がおらず、無縁納骨堂に安置される遺骨が全国で増加しています。日本では、死後、火葬をしたり、お墓に納骨したりする人がいない場合、自治体が遺族の代わりにおこなわなければならないことになっています。

自治体が引き受けた遺骨が全国で最も多い大阪市。昨年には2366柱を市設霊園の無縁堂に安置した。これは、大阪市内で亡くなった人の8.3%にあたる。言い換えると、遺骨の引き取り手がいない死者は、12人に1人もいることになる。1990年には無縁堂に安置された遺骨は336柱だったので、この25年間で7倍近くも増えています。引き取り手のない遺骨ときくと、身元不明の死者をイメージするかもしれないが、本人の名前や本籍地などが分からない、いわゆる「行旅死亡人」の遺骨は少ない。大阪市の場合、年間2000を超える無縁遺骨のうち、行旅死亡人は50人に満たない。

横須賀市では2003年度には、身元不明の死者は5人で、身元が分かっているのに引き取り手のない遺骨が11柱あったが、18年度には身元不明が3人、身元判明者が50人だった。どこの自治体でも、身元も親族も分かっているのに引き取られない遺骨が急増しているのだ。横須賀市の場合、引き取り手のない遺骨は、市役所の一角に半年から一年程度安置された後、無縁納骨堂へ移される。ところが預かる遺骨が急増し、無縁納骨堂が満杯になったため、これまでに2005年、11年、15年の3回にわたって、合計で600柱近くを別の合同墓に再安置した。

以上の内容は、記事スクラップしていた“家族がいても引き取り手のない「無縁遺骨」が増える事情(小谷みどりが斬る。ひとり死時代の葬送と備え・朝日新聞)。4年ほど前の記事ですが、多死社会とも言われる現在、この傾向は更に強まっています。

総務省の1741市区町村と47都道府県の調査では、死亡時に引き取り手がなかった支社の数は、2018年4月から21年10月の3年半で、約10万5千人。横浜市における「身寄りのない又は遺族が引き取らない方の遺骨」の保管数は、平成20年度ー585 平成25年度ー835 平成30年度ー1090 令和元年度ー1192 令和2年度ー1174 令和3年度ー1351 令和4年度ー1460との事です。

高齢者のみならず、廻りを見渡しても単身世帯が増加しています。核家族化と少子高齢化で一人暮らしの65歳以上の方が増加。身寄りのない高齢者は民間の賃貸住宅の入居や、介護施設に入る時も身元保証人を求められます。また、高齢者への支援の多くは、介護施設職員やケアマネ、病院スタッフが職務外のボランティアで行う「シャドウワーク」として担っているのが現状です。

また、身内がいても弔う人がいない死者は近年急増しています。昭和を代表する女優の一人島田陽子さん。2022年享年69歳、病院でひとりお亡くなりになりました。その後遺体の引き取り手がなく、自治体によって荼毘に付されたとの事です。

横浜市青葉区のすすきの団地では、課題解決に向けた取組として企業・NPO・大学・専門職・行政による「家族に頼らない高齢者の支援の仕組みづくり」を考える実証実験を始めています。引き続き行政としての必要な役割や地域での課題解決にむけて取り組んで参ります。

 

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