18日・19日の二日間、減災対策推進特別委員会の行政視察で札幌市及び千歳市へ。災害に関する情報伝達・広報活動について伺いました。
札幌市は、厳寒の石狩の原野に北海道開拓の拠点として創建されて以来140年の間に人口約196万人を擁する大都市に急成長した世界的にも稀な都市と言われます。また、全国的にも災害対策への意識の高い都市とされています。R3年の防災情報システム(Di-sys)の改善、R4年の防災ハンドブック改訂、動画を活用した防災啓発(さっぽろ防災王クイズ)等、改善を重ねています。新たな防災情報システム(Di-sys)では、インタラネットからインターネットに移行され、避難情報発令判断支援、避難情報一斉外部送信(連携)、内閣府物資支援システムとの連携、地図による「見える化」、時系列(クロノロジー)による情報管理等が導入されています。
北海道胆振東部を最大震度7の地震(2018年9月6日)では、その後に起きた北海道全域の停電、“ブラックアウト”は大きな問題となりました。特に札幌市内の状況がTVや新聞などでも広く報じられた。発災時、電力供給力の不足、災害時には燃料供給協定が機能等の課題が生じました。その後、札幌市地域防災計画・大規模停電災害対策を策定。本計画に基づき1万戸以上の停電発生で、市として関係局を招集し、警戒配備に動くことになっています。
千歳市の防災学習交流センター「そなえーる」の取組みについて視察。千歳市は北海道の中南部・石狩平野の南端に位置する人口約9万7000人の都市です。市内には陸上・航空自衛隊の3基地(2駐屯地)が所在、市民の平均年齢が42.9歳と北海道で一番若いまちです。人口増加率は道内第1の2.2%との事。
「そなえ―る」は、災害を“学ぶ・体験する・備える”をキーワードに災害の疑似体験をしながら、防災に関する知識や、災害が発生した時の行動を学んでいくとともに、防災講座や救急学習の拠点施設として活用できる施設です。平成22年4月、総事業費約21億円をかけてオープン。開設から12年で464.479人が訪れて学習をしています。
横浜市にも、市民防災センターが存在します。防災体験する事により、災害への理解が深まり、いかにして災害に対応できるか等、自助・共助・公助の理解、意識向上が目指されます。どの様にコミュニケーションを行って減災意識の気運を醸成するかが重要です。危機に際して、社会として、個人として、企業としてどう向かい合うのか。マニュアル的な対処のみでは、大切な「命」を守る事ができません。自然災害が激甚化しています。災害犠牲者を出さない為に、一人ひとりの災害対応行動にあります。また、災害犠牲者の多くが高齢者などの要配慮者で占められていることは、日本の防災の顕在化している最大の問題でもあります。地域コミュニティーを「同じ災害に向き合う共同体」と位置づけ、防災の観点から、そのあるべき姿を考えると、片田敏孝日本災害情報学会会長はされています。(人に寄り添う防災)
私たち公明党は、防災・減災への取り組みを社会・政治の主流に。そしてそうした文化に醸成する事を目指しています。