横浜市の防災・減殺対策について、横浜市会第1回定例会にて予算代質疑を行いました。
◎近年、全国各地で自然災害が激甚化・頻発化しています。昨年も、九州豪雨などにより甚大な被害が発生しており、本市でも、いつ、大きな自然災害が発生するか分かりません。こうした状況の中、国では、今後の気候変動の影響による水害リスクの増大にも備えるため、これまでの河川管理者による治水対策だけでなく、流域に関わるあらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」を強く打ち出しています。
昨年閣議決定された「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」でも、この「流域治水」が位置付けられており、また、「流域治水」推進に向けた法制化の動きもあります。ここ横浜においては、これまで全国に先駆けて鶴見川や境川の流域で、総合的な治水対策が進められてきました。鶴見川流域では、河川改修と共に、鶴見川多目的遊水地や新羽末広幹線などが整備され、効果を発揮しています。
一方で、河川改修が完了していない河川もあり、過去の台風では、大規模な浸水被害が発生しています。国の動向も踏まえ、「流域治水」として治水対策を着実に進めていくべきと考えます。そこで、質問:(1)横浜市における流域治水推進の考え方について市長に伺います。
《市長答弁》一級河川の鶴見川流域では、これまでの長年にわたる取組を更に加速させるため、国や県などと連携し、流域全体で取り組む、より具体的な治水対策を今年度末までに取りまとめます。さらに、二級河川においても、県など、あらゆる関係者と連携し、流域全体での治水対策を推進していきます。
◎「流域治水」の着実な推進が重要な上に、特に、「流域治水」の基盤となる河川氾濫対策が重要であると感じています。本市においては、未改修区間の河川改修に取り組むとともに、平成30年度からは、国の「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」による国費も活用し、「河道等安全確保対策事業」を創設して、河道内の土砂掘削や、樹木伐採を集中的に実施し、効果を上げています。
国の「3か年緊急対策」は終了となりましたが、激甚化する自然災害に対応するため、より一層、治水対策を強化し、引き続き、しっかりと予算を確保し、河川氾濫への対策に取り組むべきと考えます。そこで、質問:(2)令和3年度に行う河川氾濫対策について伺います。
《副市長答弁》国の2年度補正予算も活用し、過去に浸水被害が発生した箇所を優先的に河川改修や流域貯留施設の整備を着実に進めます。また、これまで緊急的に実施してきた、河川等の土砂掘削や樹木伐採については、今年度で国の補助事業が終了しますが、3年度以降は市の単独事業として、引き続き実施します。
◎東日本大震災から10年が経過します。当時を振り返ると、地震後に園児を自宅に帰そうとした幼稚園の送迎バスが津波にのみ込まれ、五人の幼い命が失われるという事例もありました。神奈川区ではこうした事例を踏まえ、発災時のどのような行動をするかという視点で、保育・教育施設における避難対策も強化しています。
また、現下の新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況を踏まえると、災害時に一人の命も失われることのない、いわゆる「逃げ遅れゼロ」の実現に向けて、市民の皆様に適切な避難行動をとっていただけるように、取組を進めていかなければなりません。そこで、質問:(3)新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた「逃げ遅れゼロ」に向けた考え方について伺います。
《副市長答弁》津波や浸水などの災害から身を守るためには、まずは安全な場所に躊躇なく避難していただくことが重要です。そのため、行政は、市民の皆様が安心して避難場所に来ていただけるよう、感染症対策に万全を期します。一方、コロナ禍の現状を踏まえると、市民の皆様には、在宅避難、親戚・知人宅等を避難先とする分散避難を検討していただけるよう、引き続き周知を図っていきます。
◎「逃げ遅れゼロ」を実現するためには、自らの行動を判断するための正確な情報を迅速に取得することが欠かせません。一人ひとりに対し、正確な情報を確実かつ迅速に伝えることは、公助としての義務であると考えており、多様な情報通信技術が現存する中、あらゆる手段を総動員し、取り組むべきだと考えています。そこで、質問:(4)災害時における情報伝達の基本的な考え方について市長に伺います。
《市長答弁》災害時に市民の皆様お一人おひとりに対して、迅速かつ確実に情報を伝えることが重要です。そのため、それぞれの地域特性や環境に応じて、防災情報Eメールや防災スピーカーなど様々な手段を効果的に組み合わせて、速やかに伝達できる仕組みが必要です。このような考え方に基づき、本市の災害時の情報伝達の取組を進めていきます。