令和2年第3回市会定例会 決算第一特別委員会 港湾局審査 みなとみらい21地区におけるクルーズ旅客の観光促進について質疑。
客船の寄港は新型コロナウイルス感染症により一時的な落ち込みを見せているものの、国内クルーズは再開するとのことであり、今後も本市にとって重要な観光施策となるものと考えます。その上で、ウィズコロナ・アフターコロナの時代を見据え、今後の客船寄港を、経済活性化に結びつけていく取組が必要です。そのため、客船の寄港が増えても乗下船客が横浜に留(とど)まらず、素通りされてしまうという課題を解決する必要があります。
そこで、(1)クルーズ旅客が横浜の魅力に接するための課題について(質問)。[答弁]政府観光局特別顧問デービッド・アトキンソン氏、クルーズライター上田寿美子氏、JTB 等の専門家にヒアリングしたところ、寄港地の歴史・文化・街並みはクルーズ旅客を観光に導くための決定打、切り札であるとの助言をいただきました。そのため、客船ターミナルに近接する、みなとみらい 21 地区周辺にある博物館、進出企業の技術、港の景観等の観光資源をストーリー立てて、分かりやすく見せていくことが必要であると考えています。
港の歴史あるストーリーなど、降り立った街について関心が高い乗下船客が多いとの事。また、主要な客船ターミナルである大さん橋や新港ふ頭は、みなとみらい21地区周辺に立地しています。まずは、みなとみらい21地区の観光資源の魅力を高めることが重要ということです。
(2)みなとみらい21地区の観光資源について質問。[答弁]「歴史」に関しては、横浜みなと博物館や帆船日本丸、氷川丸、開港記念会館 など「文化」に関しては、横浜美術館、人形の家、企業の博物館・ショールーム など「街並み」に関しては、港の景色や赤レンガ倉庫、元町・中華街、山手西洋館 など、特色のある多様な施設が、数多く立地しています。
本市の国内外からの顔として、みなとみらい21地区にクルーズ旅客にとって魅力的な施設が多く立地していることは、市内観光の促進に取り組む上での強みであると言えます。特に、港町・横浜の成り立ちを知ることができる横浜みなと博物館や帆船日本丸の更なる活用が必要と考えます。
(3)横浜みなと博物館の現状について(質問)。[答弁]平成 21 年のリニューアルオープンから 10 年以上が経過し、・展示に最近の港の状況が反映されていない・展示物が陳腐化している・「こと消費」のニーズに対応できていない
などの課題があり、来館者数も減少傾向になっています。また、駅に近い好立地に関わらず、施設の入口が分かり難く、多くの観光客が素通りしてしまう状況です。
(4)「施設内容の見直しを行い、観光の中核施設として充実させるべき」と考えるが(質問)。[答弁]横浜みなと博物館は、クルーズ旅客を観光に導くための条件である歴史・文化・街並みの全てに強く関連しており、鉄道、バス、ロープウェイ等の交通結節点にも近接しているため、観光の中核となる最も重要な施設と考えています。そのため、これからの時代に合った展示物の更新、体験型コンテンツの導入、エントランスの改善・案内表示の充実等による施設のリニューアルを検討していきます。
クルーズの乗下船客が横浜で観光していただくためには、降り立った地、みなとみらい21地区を中心に市内に長く滞在していただく取組が必要と考えます。そのために、立地特性を活かしてみなと博物館を中心とした、みなとみらい21地区の観光の磨き上げを要望。
さらに、客船をお迎えする玄関口として、ベイブリッジの活用も有効であると考えています。例えば、レインボーブリッジのような、色鮮やかにライトアップする取組なども、港町・横浜のシンボルとしてメッセージを発信できると思います。そこで最後に、
(5)「横浜港の新たな賑わいのシンボルとして、ベイブリッジのライトアップを検討するべき」と考えるが副市長の見解(質問)。[答弁]ベイブリッジは、横浜市の六大事業の一つとして完成しまして、平成元年ですから、もう 30 年前に開通したということでございます。開通以来、夜景を含めたその景観は、港ヨコハマを象徴する景観・施設として、広く親しまれていると思います。そのため、ライトアップによる発信は、シティプロモーションや観光客誘客などに、大変有効であると考えており、この点は先生のご意見、よく分かるつもりです。そう言いながら、30 年前の設備なものですから、LED等は当然ついていませんで、それを取り換える、取り換えないという技術的な課題もあるのも事実でございます。そういう状況下ではありますが、施設を管理する首都高速道路株式会社と連携して、検討を始めたところでございますので、もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
どうかオール横浜市で、あらゆる手立てにより港の観光活性化策に取り組む事を要望しました。