国土交通省の「生産性革命プロジェクト」では、社会全体の生産性向上につながるストック効果の高い社会資本の整備・活用や、関連産業の生産性向上、新市場の開拓を支える取り組みを加速化することを目指し、20のプロジェクトを選定しています。その一つが下水道イノベーションで「日本産資源 創出戦略」と位置づけられています。
下水汚泥は、従来は廃棄物として埋め立てなどで処分されてきましたが、近年は技術の進歩により、バイオガス、汚泥燃料、肥料などの多様な資源として活用できる「日本産資源」としています。下水汚泥を徹底的に活用することは、輸入に頼るエネルギーの地産地消や、農業の生産性向上に大きく貢献することにつながります。
本日は、石井国土交通大臣が、鶴見の末広にある横浜市北部汚泥資源化センターを視察。
横浜市では市内11か所の水再生センターから発生する下水汚泥を、2か所の 汚泥資源化センターに集約し処理。集約処理により、施設の建設費と維持管理費のコストダウン を図っています。また、発生した消化ガスや焼却灰を有効利用し、循環型社会を形成するのに貢献していま す。
横浜市の各センターから送られた汚泥を濃縮し卵 形の消化タンク(下の写真)に投入されます。嫌気性メ タン菌により約30日かけて消化が促進 され汚泥の安定・減量化と共に消化ガス を発生させます。
消化ガス発電設備において、発生した消化ガスを燃料としてエンジン を運転し発電機を回して発電します。ま た、発生した熱を様々な設備に利用して います。
横浜市内の下水道施設として、わずかな勾配で下水を流す下水管と生活排水をきれいな水にする「水再生センター」と汚泥を資源化する「汚泥資源化センター」があります。また、生活排水を中継したり雨水を川や海に排水するための「ポンプ場」があります。生活に欠かせない社会資本の整備と老朽化対策も大切ですが、未来を見据えた投資、新技術で生産性を高めるイノベーションの推進の視点を勉強させていただきました。