横浜市 母子保健コディネーター

令和元年度決算第一特別委員会・子ども青少年局別審査

横浜市では、妊娠期の支援の充実のため、「母子保健コーディネーター」の配置をし、今年度には18区に配置されたところです。子育て世代に対する啓発や情報発信として、ITやAIなどのデジタル技術を活用して取り組んでいくことも必要ですが、デジタルではできないこともあります。

これまで、公明党は、妊娠期の支援の充実のため、「母子保健コーディネーター」の配置について推進してきました。2014年に発表した「結党50年ビジョン」で“日本版”のネウボラ整備を提言。『ネウボラ』とは、フィンランドの母子支援制度のことで、「助言の場」という意味がある。各家庭に専属の保健師が付き、妊娠期から就学前までの健康診断・相談支援を行う子育て支援拠点です。

日本では、妊産婦や乳幼児らの支援機関や制度は多いものの、バラバラに対応しがちで、必要な支援が届いていない状況も見られました。そこで、地域社会から孤立し、妊娠や育児に不安を抱える子育て家庭が増える中、妊娠・出産から子育て期にわたって親子を切れ目なく支援する「子育て世代包括支援センター』日本版ネウボラの必要性を訴えました。そして横浜市でも提言を含めた議論を重ねて母子保健コーディネータ―の全区配置として体制が整ってきました。

母子保健コーディネーターによる面接の実施状況について(質問)[答弁]おかげさまで、母子保健コーディネーターを全区に配置したことで、専門職による面接を確実に行(おこな)う体制が整い、令和元年度の面接実施率は平成28年度に比べて4.2ポイント上昇し、96.8%でした。面接時には、一人ひとりに対して、家族構成や産前産後の周囲からの支援の有無などの実情を伺っています。心配事などを丁寧に聞き取ることで、潜在的な支援ニーズも引き出すことができ、妊婦自身の健康面での不安やパートナーとの関係などの相談対応も行っております。

母子保健コーディネーターの面接では、マイカレンダーを配布していると伺いました。実際に使用しているマイカレンダーを見ましたが、妊婦やそのご家族が手に取って分かりやすい内容になっていました。家に帰ってからパートナーも一緒にみて、妊娠中から子どもがいる生活を家族で話すきっかけにもなると思います。また、マイカレンダーは市としてのひな型に各区の情報を加え、各区役所が創意工夫して作成をしたものを使われていると伺いました。

マイカレンダーの活用状況と効果について(質問)[答弁]母子健康手帳交付時面接で、「妊娠・出産・子育てマイカレンダー」を用いて、妊娠中から産後までに起こりうる体調の変化や、それに合わせた準備などを説明しております。妊婦やご家族にとっては、妊娠中から子育てまでの先を見通すことにつながっています。さらに、家族のサポート状況など自分自身の状況に応じて、利用できるサービスが分かり、先々のイメージを描きながら見通しをもって子育てを迎えるためのセルフプランとして活用されております。

最近は、IT化が一気に進み、特に子育て世代の方は、人とのコミュニケーションでSNSを使うことが多いようですが、その中でも人と人とのつながりはとても大事だと考えます。妊娠、出産、子育ては、初めて経験すること方が多く、何気ないことにも不安や心配を抱えたり、予想外のことや思い通りにいかないことが起きたりすることもあるかと思います。その様な時に、専門職に対面で話をして、自分自身の健康や生活のことを気遣ってもらえることで、人とつながることの温かさを感じることができます。妊婦やご家族にとって母子保健コーディネーターは、とても頼もしい存在となります。

このコロナ禍で、様々な場面で感染防止のため人と接する機会を減らしていますが、コロナを経験したからこそ、改めて人とのつながりの大切さを実感しています。

母子保健コーディネーター配置の意義について、改めて副市長の見解(質問)。[答弁]新型コロナウイルス感染症の影響で、訪問や乳幼児健診などが休止をせざるを得なくなり、実情を把握する機会が限られた。そういった中でも、母子保健コーディネーターがいることで妊婦一人ひとりの状況を丁寧に把握することができて、改めて重要な取組と認識をしているところでございます。今後も、母子保健コーディネーターをはじめとする支援者と妊産婦一人ひとりととの、あたたかい関わりや関係づくりを大切にしながら、取組を進めていきたいと考えています。

地域の特性に応じた、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供する体制を構築するため、横浜市版子育て世代包括支援センターの機能確立を進めてきました。母子保健コーディネーターが配置されたことで、区福祉保健センターにおける妊娠期からの支援が充実し、安心して子どもを産み育てる環境が醸成されてきたと感じています。コロナ禍だからこそ、全区に配置された母子保健コーディネーターを充分に活かしながら、横浜市版子育て世代包括支援センターの機能をさらに拡充し、切れ目のない支援を実現していくことが期待されます。

 

 

 

 

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