横浜市におけるアレルギー疾患対策について

横浜市会 平成29年度 第2回定例会 公明党一般質問より

国では、平成26年度にアレルギー疾患対策基本法を制定し、27年12月に施行しました。今年29年3月には基本指針をまとめるなど、スピードアップしてアレルギー疾患対策を進めています。

厚生労働省の資料によると喘息や花粉症、アトピー性皮膚炎など、今や国民の2人に1人は何らかのアレルギー疾患にかかっており、その対策にも様々な課題があります。例えば地域医療において、アレルギー反応のリスクや耐性(たいせい)獲得(かくとく)の確認を目的とする負荷(ふか)試験は、食物アレルギー診療を行う上で欠かせないものの一つと考えますが、地域で実施している医療機関はまだまだ少ないという声を聞きます。

また、日本アレルギー学会認定の専門医や指導医は、全国的にみても、まだまだ不足している状況であり、人材の確保が重要です。既存の医療資源を最大限活用し、ニーズに応えていく必要があります。横浜市公明党として、横浜市におけるアレルギー疾患対策について質問しました。

横浜市におけるアレルギー疾患対策に向けた医療提供体制について

市長:横浜市では、「よこはま保健医療プラン」において、主要な施策の一つとして位置づけ、みなと赤十字病院を中心に、各医療機関との連携強化に取り組んでいます。アレルギー疾患は、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギーなど、その原因や症状が多様かつ複合的であり、また診療科も内科、小児科、皮ふ科など多岐にわたるため、地域の医療機関との連携をより一層進めてまいります。こうした中、本市では、「みなと赤十字病院」を中心に、各医療機関と連携等に取り組んでいるところでありますが、次期保健医療プランにおいても、主要な施策の一つとして位置づけてまいります。

みなと赤十字病院の役割と地域医療機関との連携のあり方について

市長:専門医を確保し、横浜市立大学や国の中心的な役割を担う相模原病院と連携し、最新の臨床研究に基づく治療を提供するなど、先導的な役割を果たしています。また、講演会などによる情報発信や地域医療人材の育成を行うとともに、小児アレルギー診療を行っている医療機関との連携を進めています。こうした取組により、アレルギー医療のセンター機能を担い、診療の標準化や医療の質向上を図っています。

学校現場の教職員がマニュアルの内容をしっかり理解し、いざというときに素早く行動できるようにすることが非常に重要であり、教職員への研修が不可欠です。

◎学校おけるアレルギー対応マニュアルを改定したポイントについて

教育長:昨年8月には、発生時に原因が不明な場合の対応方法を新たに記載をいたしました。特に、学校での飲食による食物アレルギーが疑われる場合、原因の早期究明や医療機関との連携につなげるため、速やかに健康教育課や区福祉保健センター等へ連絡し、調査に対応するように明記いたしました。また、今年3月には、発症時に学校で早急な対応ができるよう、「ぐったりしている」「息が苦しい」など緊急性の高い13のアレルギー症状を明記したほか、校長が校内教職員に「事故防止」「事故対応」の研修を実施するよう盛り込みました。

食物アレルギーの対応方法についての教職員の研修について

教育長:毎年、6月に栄養教諭・学校栄養職員を対象に「学校給食における食物アレルギー対応」に関する研修を、また7月には学校から推薦された教職員を対象に「アレルギー疾患の日常管理と緊急時対応」について、研修します。さらに、隔年ごとに専門医を招き、最新の情報に基づく対応研修を実施しています。なお、新任の副校長についてはどちらかの研修に必ず出席することとしています。また、アレルギー対応マニュアルに基づき、校長を責任者としたアレルギー研修を必ず1回校内の教職員に対して実施をいたします。

総合的なアレルギー疾患の推進について

市長:アレルギー疾患対策基本法では、医療体制の整備、生活環境の改善、適切な情報入手など、生活の質向上のための施策を講じることが求められています。本市では、医療機関連携の強化、アレルギーに関する正しい知識の普及啓発や相談事業、学校等における食物アレルギー対応などを区局横断的に進めております。今後は、外部の専門家や患者の方々にヒアリングを行い施策に反映させるなど、アレルギー疾患対策の総合的な推進に取り組んでまいります。

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