データを活用した事前防災「横浜市下水道浸水対策プラン」

一昨日開催をされました「横浜市都市計画審議会」で審議されました「横浜国際港都建設計画下水道の変更」については、浸水被害の軽減を図るとともに、老朽化するポンプ場の円滑な再構築事業を実施するための変更を伴うものでした。

横浜市では、 これまでの浸水対策の進捗状況や気候変動の影響を踏まえた雨に強い強靭なまちづくりを一層推進することを目的として、これからの下水道による浸水対策の目標や対策の進め方などを定めた下水道による浸水対策のマスタープランとして「横浜市下水道浸水対策プラン」を策定しています。

このプランは、これまでの浸水対策の進捗状況や気候変動の影響を踏まえた雨に強い強靭なまちづくりを一層推進することを目的として、 新たに事前防災の観点を取り入れ、これからの下水道による浸水対策の目標や対策の進め方などを定めた浸水対策のマスタープランです。そしてデータを活用したプランになっています。

このプランでは、近年、気候変動の影響で降雨量等が増加傾向にあり、浸水被害が激甚化・頻発化する中、将来にわたり、横浜市民の安全で安心な生活を確保するためには、降雨によるリスクをしっかりと見極め、先手を打って対策を講じていくことが今後ますます重要になるとしています。そのため、横浜市は全国に先駆けて、データを最大限活用した、まさに「データ防災」に取り組んでいきます。気象データ、地盤データ、土地利用データはもとより、下水道をはじめとしたあらゆる排水施設のデータなど、様々な情報を統合・解析した全国初の「横浜型浸水シミュレーション」を駆使し、「データを活用した事前防災」の観点で浸水対策を推進していく事になっています。

令和元年の東日本台風では内水氾濫による浸水被害棟数が全国で3万戸を超えるなど、近年、気候変動の影響により全国で水害が頻発化・激甚化しています。 横浜市における直近20年間の浸水被害は、平成16年の台風22号(76.5㎜/hr)により1,000棟以上、平
成26年の台風18号(74.5㎜/hr)により200棟以上の床上・床下浸水が発生しており、今後も降雨の状況によっては、被害が発生する可能性があります。(横浜市下水道浸水対策プラン)

また、 近年、日本全国で1時間あたり50㎜以上の強い雨の発生回数が増加しており、最近10年間(2013~2022年)の平均年間発生回数は、約40年前に比べ約1.5倍まで増加しています。横浜市においても同様の傾向となっており、直近データの比較では2倍に増加しています。また、目標整備水準を超える降雨も全国で頻発しており、横浜市においても令和元年9月に時間最大降雨量100mmを観測するなど、これまでに経験のない大雨による浸水被害が発生しています。

そこで、気候変動の影響により雨の降り方に変化が生じていることを踏まえ、防災・減災の観点から、新たな防災目標と新たに2つの減災目標を設定し、ハード・ソフトの両面から効率的・効果的に浸水対策を推進していきます。

1つは、目標整備水準の見直し(浸水を防ぐ目標) です。浸水を防ぐ目標は、国土交通省から示されている降雨量変化倍率(1.1倍)をもとに算出した気候変動を踏まえた目標整備水準である1時間あたり約52、約64、約82㎜の降雨に対して浸水を防止します。

2つ目は、「事前防災」の推進です。これまでの下水道施設の整備は、過去に浸水被害が発生した地区を優先する「再度災害防止」の観点で進めてきました。今後の下水道施設の整備は、再度災害防止の対策完了が近づいてきていること、気候変動の影響によって雨の降り方に変化が生じていること、浸水想定などの正確なデータを利活用できることなどを踏まえ、再度災害防止に加えて、これまで浸水が発生していない地区においても浸水シミュレーションを活用して浸水リスクを評価し、先手を打って施設整備を進める「事前防災」の観点で進めていきます。

下水道施設の整備は、「浸水想定」が広く・深い、「浸水の影響度」が大きい、浸水リスクの高い地区から優先して整備していきます。「横浜市下水道浸水対策プラン」では、浸水リスクが最も高い地区を流域として受け持つ16幹線及び、252地区の整備を概ね20年で完了させることを目指します。

横浜市民の安全で安心な生活を確保するためには、降雨によるリスクをしっかりと見極め、先手を打って対策を講じていくことが今後ますます重要になります。

 

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