重層的な住宅セーフティネットの充実について公明党予算代表質疑にて質問しました。

●住まいにお困りの方への支援策として、住宅セーフティネットの充実は、本市の住宅政策の中で特に重要な施策の一つだと考えており、公明党ではこれまでも積極的に取り組んできました。昨年の基本計画特別委員会では、住まいにお困りの子育て世代への支援が重要であると指摘させていただきましたが、今回の予算案では、建築局が新たに打ち出した「子育て☆住まいサポート」に、子育て世代への家賃減額補助が盛り込まれています。

【質問】住まいにお困りの子育て世代に対する支援を強化するねらいについて、市長に伺う。

《市長答弁》住まいにお困りの子育て世代に対する支援を強化する狙いについて、厳しい経済情勢の中、子育て世代では、家計費に占める住居費の負担が、ますます大きくなっております。そこで、住まいにお困りの方を受け入れるセーフティネット住宅の家賃補助につきまして、子育て世帯及び新婚世帯の収入制限を緩和し、対象を拡大することで、より子育てしやすい環境づくりを進めます。

●また、住宅支援を考える上で、本市が有する既存ストックである市営住宅を、住宅セーフティネットの根幹として、有効活用していくことが非常に重要だと思います。経済的に住宅確保が困難な方々などへの最後の砦であり、これまでも年に２回の定期募集により、安全・安心な住まいの確保に大きな役割を果たしてきました。一方で、募集したにもかかわらず応募者がおらず、結果的に空き住戸が発生することもあるともお聞きしています。せっかく準備している市営住宅が活用されないのは残念であり、限られた財源の中で、既存ストックを有効に活用していくことは非常に重要だと思います。

令和４年第３回定例会、決算特別委員会、建築局審査において、我が党の久保委員から「募集割れ住戸の活用策」について質問し、今回の予算案に常時募集の導入が盛り込まれました。従来の定期募集に加えて、空室となっている市営住宅にいつでも申し込める制度を導入するのは画期的なことであり、実施に向けて着実に取組を進めていただきたいと思います。

【質問】常時募集導入の効果と開始時期について、市長に伺う。

《市長答弁》常時募集導入の効果と開始時期について、これまでは年２回の定期募集で当選しない限り、市営住宅に入居することができませんでした。今回導入する常時募集では、定期募集では埋まらなかった住宅を御案内することで、入居を切望されている方が、確実に入居していただくことにつながります。なお、常時募集の実施は、本年８月を予定しており、様々な広報手段を活用して、十分な周知を図ってまいります。

●住宅セーフティネットの充実を図るには、市営住宅の有効活用や民間賃貸住宅の活用とともに、住まいの確保にお困りの方に対する居住支援の取組が重要です。横浜市では、高齢者、障害者、子育て世帯、外国人など、住まいの確保にお困りの方の円滑な入居促進などを目的として、平成30年10月に居住支援協議会が設立されました。これは、不動産関係団体、居住支援団体など様々な団体・機関と、本市の建築局、健康福祉局、こども青少年局、国際局、市民局から構成されており、住まいのお困りの方の相談窓口を開設しています。私は、昨年10月に、公明党のメンバーとともに相談窓口の視察に伺い、居住支援の現状や課題について改めて認識をしたところです。

住まいの確保にお困りの方は、生活の課題や悩みを抱えている方も多く、生活支援がないと暮らしていけない方もいらっしゃいます。単に住まいの問題だけを切り離して対応することは困難ですし、それでは賃貸住宅オーナーの理解も得られません。このため、区役所や支援機関などと連携しながら、相手に寄り添った支援を進めていく必要があると考えます。

【質問】住まいにお困りの方に寄り添った伴走型の支援が求められていると考えますが、市長の見解を伺う。

《市長答弁》「住まいにお困りの方に寄り添った伴走型の支援が求められている」ことについて、相談者一人ひとりの状況に応じたきめ細やかな支援が必要です。入居や生活の支援を行う福祉事業者、不動産事業者などにサポーターとして御登録をしていただき、相談者に寄り添いながら支援を行う新たな制度を、本格的に開始いたします。居住支援協議会の相談窓口を中心に、サポーターや関係機関がより一層の連携を深め、支援の充実を図ります。

●住まいは、社会保障の基盤です。子育て世代をはじめ、だれもが安心して暮らせるよう、住宅と福祉の施策が一体となった、重層的な住宅セーフティネットを充実させていただくことを期待しています。居住支援協議会の相談窓口が、より多くの市民の皆様に親しまれるように、愛称を付けていただくことを要望しました。